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「仕事付き高齢者向け住宅」ってどんなもの?(page 2)

課題は報酬、伸こう福祉会と東レ建設のモデル事業で見えてきたこと

2018/04/25 09:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

見えてきた課題とは…

 モデル事業では課題も見えてきた。仕事をしたことへの「対価」をどう捻出するかという問題である。

 農作業に関しては、野菜を販売することで売り上げが発生したため、1回参加するごとに500円の謝礼金を渡すことができたという。保育施設に関しては、「本来は保育士が行う仕事をやってもらったので、浮いた人件費を謝礼金として渡すことを検討したい」(中村氏)としている。

 伸こう福祉会では、かねて高齢者の経済面について問題意識を持っていた。高齢者施設の紹介を行っている人から「施設に入居することで費用がかさみ、経済的に困ってしまう高齢者もいる。年金に加えてあと5万円もらえると、ちょっと豊かな生活ができるのに」という声が届いていたからだ。

畑仕事をする入居者と見守るスタッフ(写真提供:伸こう福祉会)
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 ただし、仕事の対価を施設が負担するやり方では、仕事付き高齢者向け住宅の事業は継続しない。「単発のイベントごとではなく長く継続していくために、どういう風に財源を作るかについては検討していかなくてはいけない」と中村氏は言う。

 伸こう福祉会としては、質の高い商品やサービスの提案によって対価をもらうという仕事の在り方は崩すべきではないと考えている。ゆくゆくは「5万円の謝礼金をお支払いできるようにすることを目指したい」と荒川氏は話す。

 この他に、現場の人員配置も検討すべき課題といえる。今回は、新しいスタッフを雇わずにモデル事業が実施できるよう工夫を凝らした。

 例えば、複数の場所で入居者が仕事をすることがないように、「種を植える日」「袋詰めの日」など1日に行うのは1作業と決めた。「3人のスタッフで4~5人の入居者を見守るのが丁度良かった」と荒川氏は振り返る。普段はドライバーや営繕、植栽の仕事を担当してくれる70歳以上の「シルバースタッフ」にも仕事中の入居者を見守る仕事に協力してもらうことで、新しいスタッフを雇わずに対処できた。

 今後、現場職員に“仕事付き”の意識が根付けば、仕組みが整って「スタッフを何人も増やさなくてはいけないということにはならないと思う」と荒川氏は見ている。今働いている人数で行えるような仕組みを作りたいとしている。

左から、伸こう福祉会 経営企画室の中村洋平氏、伸こう福祉会の柿木景子氏、伸こう福祉会 品質管理本部の荒川多恵子氏、東レ建設 トレファーム事業推進室 次長の内田佐和氏
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