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da Vinci手術の保険適用、一挙拡大のワケ

東京医科歯科大が「緊急勉強会」、第一人者が背景解説

2018/01/31 11:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 米Intuitive Surgical社の内視鏡手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(通称:ダヴィンチ)」を使う手術、いわゆるダヴィンチ手術の保険適用対象が今春、一挙に拡大する(関連記事1)。2018年1月17日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、肺がんや食道がん、胃がん、直腸がん、膀胱がんなど、12件のダヴィンチ手術に対する保険適用が承認された。既に保険が適用されている前立腺がん、腎臓がんと合わせて、主要な固形がんが概ねカバーされる形になる。

 ダヴィンチが日本で発売されたのは、2010年3月。それからの約8年間、前立腺がんと腎臓がんにしか保険が適用されてこなかった状況が一変したのはなぜか。そして今回の決定は、臨床現場や医療機器業界にはどのような影響を及ぼすのか。ダヴィンチ手術の第一人者がこうしたテーマについて語る催しが、1月18日に東京都内で開催された。

 東京医科歯科大学が「ロボット支援下内視鏡手術の保険収載拡大が実現した場合の論点・視点」と題して開催した緊急勉強会がそれ。直腸がんのダヴィンチ手術で日本屈指の実績を持つ、東京医科歯科大学 医学部附属病院 大腸・肛門外科教授の絹笠祐介氏(前・静岡県立静岡がんセンター 大腸外科部長)が登壇した。

東京医科歯科大学 医学部附属病院 大腸・肛門外科教授の絹笠祐介氏
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 直腸がんの手術では一般に、骨盤内の深部へのアプローチが必要になる。泌尿生殖器や自律神経に囲まれた場所であり、機能を温存しつつがんを完全切除するのは容易ではない。「肛門を残せるかどうかが難しい。一般に、直腸がんと診断された患者の約3割が人工肛門になっている」(絹笠氏)。このほか、排尿障害や性機能障害が60~70%の頻度で起こり、がんの取り残しなどによる局所再発も約10%の頻度で生じているという。

 こうした背景から昨今、ニーズが高まっているのが腹腔鏡手術である。開腹手術に比べて「患者が早期に社会復帰できることに加え、深い場所がよく見えるので精度の高い手術ができる」(絹笠氏)。一方、腹腔鏡手術では体内の深い場所で鉗子などの手術器具を精緻に操作することが難しく、術者による技量の差が現れやすいという。このため、直腸がん手術の標準術式となるには至っていない。こうした腹腔鏡手術の課題を克服できると期待されているのが、ダヴィンチ手術だと絹笠氏は説明する。

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