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「74%の医療機関でオンライン診療が算定可能に」

インテグリティ・ヘルスケア、オンライン診療の保険収載を受け説明会

2018/04/04 11:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 「オンライン診療が新しい医療の形として、保険診療の一部になったことは非常に大きい。歴史に残る改定といえる」――。医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏は、2018年度診療報酬改定で、情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)への評価が新設されたことをこう評価する。

 オンライン診療が保険収載されたことを受けて、武藤氏が会長を務めるインテグリティ・ヘルスケアは、2018年3月末にオンライン診療に関する説明会を開催。オンライン診療に期待される役割や活用のあり方を、主に武藤氏が臨床医の立場から説明すると同時に、インテグリティ・ヘルスケアが着手した3つの観点からの新たな取り組みについても明らかにした。

医療法人社団鉄祐会理事長/インテグリティ・ヘルスケア代表取締役会長の武藤真祐氏
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 インテグリティ・ヘルスケアの概算では、今回の改定によって全国医療機関(診療科)の約74%で、オンライン診療に対して診療報酬を算定できるようになったと見る(図1)。内科系を中心に、多くの臨床現場でオンライン診療を保険診療として実施できる環境が整った形だ。

 算定要件が厳しすぎるとの声は多いが、武藤氏はこの点も前向きに捉えている(関連記事)。「オンライン診療は、不適切な使われ方をする懸念もある。そうなれば、オンライン診療に対する(診療報酬)制度そのものを否定する動きが出てくるかもしれない。オンライン診療は医療としてはまだ“ひよっこ”であり、これから具体的な事例を積み上げていくことが大切だ」。

図1●厚生労働省「平成26年医療施設調査・病院報告の概要」にある全国の標榜診療科数を総数とし、そのうちオンライン診療を算定可能な疾患を有する診療科の合計数の割合が74%。医療機関別で見ると重複のあるデータとなっている。(出所:インテグリティ・ヘルスケア)
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 そもそも、オンライン診療はこれまでの医療に取って代わるものではないと武藤氏は話す。「外来や在宅、そして今後は入院を含めて、オフラインの医療にオンラインの医療が横断的に上乗せされていく」(同氏)との見方だ。対面診療を軸とするオフラインの医療をオンラインで補うことにより、医師と患者のコミュニケーションを深め、患者が能動的に治療に向き合う関係をつくっていく。これにより、診療の質を高めることがオンライン診療の役割だと同氏は説明する。インテグリティ・ヘルスケアが2017年度に福岡市や福岡市医師会と行った実証事業でも、こうした効用が明らかになってきた。

 地域包括ケア時代における新しい役割への期待も言葉にした。「診察やモニタリングなどを含む広い意味でのオンラインと、オフラインの組み立てによってこれからの医療はつくられていく。医師と患者だけでなく、看護師や薬剤師、地域包括ケアを担う人材を含めて、オンライン診療を生かした新しい仕組みを構築していけるのではないか」(武藤氏)。

 続いて登壇したインテグリティ・ヘルスケア 事業開発ユニット ディレクターの永井真理子氏は、プラットフォーム事業者の立場から今回の改定をどう見ているかを解説した。

 オンライン診療については従来、医師法第20条との関係などに関する解釈が揺れていたり、診療報酬が設定されておらず医療機関の減収につながってしまったりする懸念があった。今回の改定では、政府が主導する形でこうした状況が大きく変わった。永井氏は依然、算定要件が厳しいとの声はあり、4月からの実運用でさまざまな問題が出てくる可能性もあるとしながらも、「2年後の改定に向けては、こうした運用なら安全なのでもっと使っていきたい、といえる制度環境が整うと考えている。我々としても、効果のある患者に対してオンライン診療が提供されるよう努めたい」(永井氏)と話した。

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