全世界で5億ダウンロードされ、社会現象となったスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」(米ナイアンティック)。この人気に目を付け、観光振興を目論む自治体などは多いが、どこも似たような取り組みになっているのが現状だ。そんな中、ユニークな取り組みで「ポケモンGO観光振興」の成果を着実に出している自治体が神奈川県横須賀市だ。実は同市の位置情報ゲーム活用の始まりは2年以上前に遡る。

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「すごいすごい。ポケモンがどんどん出てきて捕まえ切れない。この企画、大当たりです」

横須賀市経済部観光企画課のメンバー。左端が矢部賢一主査、中央右が古崎絵里子氏
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 2016年9月中旬。横須賀市経済部観光企画課の有志7人は東京湾上に居た。横須賀市内の久里浜港と、東京湾を挟んだ対岸の千葉県富津市金谷港を結ぶ東京湾フェリーに乗船したのだ。目的は「ポケモンGO」を使った新しい観光企画の検証だった。

海の上でのんびりポケモン入れ食い、横須賀にわざわざ来る理由に

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スマホゲームを使った観光企画を仕掛けた観光企画課の古崎絵里子氏
横須賀市経済部観光企画課集客プロモーションWEB担当。米ナイアンティックの位置情報ゲーム「イングレス」「ポケモンGO」を使った観光活用を発案し推進してきた。元々はウェブデザイナーで横須賀市の観光情報サイト「ここはヨコスカ」(http://www.cocoyoko.net/)の管理・運営なども手掛ける

 ポケモンGOは米ナイアンティックとゲーム企画会社のポケモンが配信する大人気のスマホゲーム。街角のあらゆる場所に潜むポケモンを探して捕まえて楽しむ。

 しかしフェリーがポケモンGOにどう関係するのか。「航行中にゲーム内有料アイテムの『おこう』を使ったらどうなるかを検証したんです。ほぼ1分に1匹のペースでポケモンが出現して『入れ食い』状態になりました」と横須賀市経済部観光企画課の古崎絵里子氏は説明する。

 ポケモンGOでは本来、プレーヤーはあちこち歩き回ってポケモンを探す。おこうはゲーム内で使える有料アイテムで、30分間だけ自分の周りにポケモンを呼び寄せる。この30分という時間が東京湾フェリーの航行時間とほぼ一致しているのがミソだ。