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遠隔医療の着実な推進に向けた課題を整理する

「法的課題」「臨床ガイドライン」「エビデンスの創出」を議論

2017/12/13 10:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

座長の吉村氏(右)、藤田氏(左)
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 2018年度診療報酬改定に向けての話題も多くなってきた遠隔診療(オンライン診療)。第37回医療情報学連合大会(第18回日本医療情報学会学術大会)では、公募企画シンポジウム「遠隔医療の着実な推進に向けた課題整理」(座長:国立保健医療科学院 吉村健祐氏、国立国際医療研究センター 藤田卓仙氏)として議論が展開された。

 テーマとなったのは大きく3つ。(1)遠隔診療を着実に普及させていくために法的な課題は何か、(2)どのような臨床ガイドラインが必要か、(3)エビデンスをどう創出し医療提供体制の中で遠隔診療をどう確立するか、である。

考慮すべきは1つの法律だけではない

 (1)の法的な課題については、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の弁護士 落合孝文氏が登壇し、整理した結果を報告した。同氏はまず、医師法に関連して2015年8月の厚生労働省事務連絡、2016年3月の疑義照会に対する回答、2017年7月の通知の内容・解釈を振り返った。特に医師法第20条にかかる直接の対面診療の解釈としては、2015年8月の事務連絡では離島・へき地以外でも、「直近まで相当期間にわたって診療を継続してきた慢性疾患患者などに対して」の遠隔診療の実施が可能になった点を説明した。

渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の落合氏
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 ただし、2016年3月の疑義照会の回答では、「対面診療を行わず遠隔診療だけで診療を完結できることを想定した事業は、医師法20条に違反する」と明確に示された。さらに、2017年7月の通知では、禁煙外来に限って条件を満たした場合、あるいは患者側の理由によって対面診療が中断し、結果的に遠隔診療のみで実施された場合は直ちに医師法違反に当たらないとされた。

 こうした点を踏まえ落合氏は、「初診については原則として対面が求められつつも、特に禁煙外来などは完全に非対面で行うことは可能であり、初診は対面でなくてはならないことは厳格に適用されるものではなくなりつつあるのではないか」との見解を示した。

 遠隔診療の手段に関しては、同通知の中で、当事者が医師および患者本人であることが確認できる限り、テレビ電話や電子メール、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などの情報通信機器を組み合わせた遠隔診療について、直接の対面診療に代替しうる程度の患者の状況把握が可能であれば医師法第20条に抵触しないことが示されている。しかし落合氏は、考慮すべきは1つの法律だけではない点を指摘する。「例えば、『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』では無料のSNSは使用すべきでないとされているなど、同ガイドラインやその他の規制を合わせて考えていく必要がある」(同氏)。

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