米Broadcom社が2017年11月6日、米Qualcomm社に総額1300億米ドル(約15兆円)での買収を提案した。実現すれば、半導体業界で過去最大の買収になる。買収額の大きさもさることながら、現在オランダNXP Semiconductor社の買収プロセスの最中にあるQualcomm社を、さらに買収しようとする大胆な動きに驚きの声が多く上がっている。

 Broadcom社の業態は、日本ではあまり知られていない。このため、買収額の大きさだけが議論されることが多いが、結局何がしたくてBroadcom社が度重なるM&Aを進めているのか明確にはなっていない。単に大きな会社になれば規模に見合った競争力を手中にできるほど、半導体業界は単純ではないはずだ。Broadcom社が買収を繰り返す背景には、何らかのビジョンとそこに至るシナリオがあると思われる。

 今回のテクノ大喜利では、稀代の「買収王」、Hock E. Tan氏が率いるBroadcom社が、何を目指しているのか、その可能性と波及効果をあぶり出すことを目的とした。最初の回答者は、野村證券の和田木哲哉氏である。同氏は、Broadcom社のルーツをたどり、そこから同社には何が見えているのかを考察した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
和田木 哲哉(わだき てつや)
野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクター
和田木 哲哉(わだき てつや)  1991年早稲田大学 教育卒。東京エレクトロンを経て、2000年に野村證券入社。アナリストとして精密機械・半導体製造装置セクター担当。2017年、Institutional Investor誌 アナリストランキング1位、日経ヴェリタス人気アナリストランキング 精密半導体製造装置セクター 1位。著書に「爆発する太陽電池産業」(東洋経済)、「徹底解析半導体製造装置産業」(工業調査会)など。
【質問1】Broadcom社がQualcomm社を欲しがる理由は何だと思われますか?
【回答】 Broadcom社にはIoTの明るい未来像が見えているから
【質問2】Broadcom社が注力する通信系半導体で、同社が支配的な地位を占めるための条件は何だと思われますか?
【回答】車載用半導体での覇権
【質問3】買収が仮に成立したとして、機器メーカーや通信サービス・プロバイダーにはどのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】無慈悲な覇王に絞り取られる 

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