羊飼いは、たった1人で、牧羊犬を操りながら多くの羊を目的とする牧草地まで誘導することができる。なぜ、このようなことができるのだろうか。それは、牧草地に至るまでの道から外れてしまう羊が出てきたら、ただちにこれを察知し、牧羊犬に命じて正しい道筋へと追い立てることができるからだ。つまり、羊の群れ全体の動きだけではなく、個々の羊の動きにも目配せができている。もしも、突然の濃霧が発生して、一頭一頭の動きが見えなくなると、群れから外れた羊を見失い、行方不明になってしまうこともあるという。

 日本の製造業に起こった品質管理不安というスキャンダルについて考えている今回のテクノ大喜利、3番目の回答者は、新回答者としてお迎えする東京理科大学大学院 教授の関 孝則氏である。日本IBMやセールスフォース・ドットコムで顧客が抱える数々の課題を解決してきた同氏が、品質管理不安の解消に向けた視点を提示する。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
関 孝則(せき たかのり)
東京理科大学大学院 イノベーション研究科 教授
関 孝則(せき たかのり) 2017年より東京理科大学の社会人大学院にて技術経営の教鞭をとる。前職セールスフォース・ドットコムの常務執行役員で、IoTなど最新技術を軸にしたビジネス開発を担当。日本IBMにて技術理事、グリッドやLotus Notesなどの新規事業の技術担当、 米国IBMにて、本社技術戦略スタッフ、 メインフレーム開発、著作権侵害調査などに従事。
【質問1】日本企業の品質管理の現場で、不正が常態化してしまう原因はどこにあると思われますか?
【回答】硬直化した階層とプロセスだけでマネージメントしている組織
【質問2】一連の品質管理の不正による波及効果の中で、最も深刻だと思われることは何だと思われますか?
【回答】顧客への透明性がなく、日本の製造業の経営とマネージメントが信用されなくなる恐れ 
【質問3】日本企業は、世界の中での信頼回復に向けて何をすべきだと思われますか?
【回答】従業員エンゲージメントを中心としたマネージメントシステムの総点検

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