自動運転技術の開発を手がける大学発ベンチャーのティアフォーは、パイオニアが2017年9月下旬からサンプル出荷を開始したレーザーレーダー「3D-LiDAR」(図1)、および三菱電機が2017年11月末に発表した準天頂衛星「みちびき」対応のGNSS(全球測位衛星システム)受信機に(図2)、オープンソースの自動運転ソフトウエア「Autoware」を対応させたと発表した。

図1 パイオニアが2017年9月末にサンプル出荷を開始した「3D-LiDAR」
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図2 三菱電機が2017年11月29日に発表した準天頂衛星対応のGNSS受信機「AQLOC」
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 AutowareはLinuxとROSをベースとした自動運転システム用オープンソースソフトウエアで、名古屋大学、長崎大学、産業技術総合研究所による共同成果の一部として、自動運転の研究開発用途向けに無償で公開されている。Autowareのユーザーは今後、パイオニアの3D-LiDARや、準天頂衛星の「みちびき」を活用して実験をすることが可能になる。

 これまでAutowareでは、主に米Velodyne社製のLiDARを周辺物体の検知や、自己位置測定のためのセンサーとして使っていた。パイオニアは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを使ってLiDARの大幅な小型化・低コスト化を狙っている(関連記事)。Velodyne社製とパイオニア製では、出力信号がまったく異なるが、AutowareではLiDARからの出力データ(点群データ)を「pointcloud2」というフォーマットで処理している。今回ティアフォーは、パイオニア製LiDARから出力される信号をpointcloud2のフォーマットに変換して出力するソフトウエアドライバを開発した(図3)。

 なおパイオニアは2017年12月13日に、エヌビディアが開催するGPU技術イベント「GTC Japan 2017」において、エヌビディアの自動運転プラットフォーム「DRIVE PX」上でAutowareを実行し、同社の3D-LiDARを用いて周辺環境を認識するデモを実施する予定だ。

図3 パイオニアの3D-LiDARからの出力信号を「pointcloud2」に変換した点群データの例

 一方、準天頂衛星への対応では、三菱電機のGNSS受信機「AQLOC」の準天頂対応製品が11月末に発表されたのに合わせ、Autowareを同受信機に対応させた。同製品の代理店であるアイサンテクノロジーの協力を得て、Autowareを車両に搭載した状態での試験評価まで済ませている。

 準天頂衛星に対しても、補強信号には準天頂衛星の独自のものが含まれている。AQLOCの新製品は、そうした補強信号(CLAS)も処理できるようになっている。AQLOCからAutowareに入ってくる信号は、一般的なGPS処理データであるNMEAフォーマット仕様になっているが、Autowareでは今回、どの準天頂衛星の信号を受信するかなど、細かい設定をAutoware側から行えるようにした。

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