モジュール共通化というと、既に取り込まれているところは多いと思います。代表的な例では、自動車のエンジンや家電の液晶パネルなど、車種や機種を跨いでモジュールを共通化しています。各企業がモジュール共通化に取り組む理由は、市場ニーズが多様化する中で、コスト競争や開発スピード競争に負けられないからというのが大きな理由ですが、これまでは設計・製造の視点で共通化が実施されてきた事例が多いように思います。今回このコラムでは、設計・製造の視点だけではない、顧客視点も加えた共通化の事例を紹介します。

 なお、ここでいうモジュール共通化とは、機能をモジュールという単位でくくり、複数製品で共用すること、また次世代後継機種などでも共用することを意味します。

図1 モジュール共通化
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 電機機器メーカーC社は、商品ラインアップ拡充とコスト削減のためにモジュール共通化に取り組み、他機種だけでなく後継機種でも共用できることを狙って共通化を推進していました。ある製品開発においても後継機種まで狙った共通化のプランを作成しました。他機種でも共用すること、さらに後継機種まで共用することから、将来を見越してハイスペック寄りに共通モジュールの仕様が設定されました。

 ハイスペック寄りでしたが、後継機種まで含めた収支の目論見は問題ありませんでした。ハイスペックのおかげで市場の評判は良く、初年度は良い結果でした。しかし、後継機種開発の段階になると、新しい機能を取り込みヒットしている競合他社の追い上げがあって、共通モジュールの仕様のままでは勝てないため、結局共通モジュールの多くを見直すことになりました。

 原因は、ハイスペックを低価格で提供することに目を奪われ、顧客にとって価値の高い仕様や次機種で変化する可能性があるものまで十分な検討無しに共通化したこと、そして残念なのはC社でも新しい機能の検討はしていたにもかかわらず、将来ニーズとして加味できなかったことでした。この反省から、顧客視点を加味する、我々iTiDコンサルティングの共通化手法を取り入れたモジュール共通化に取り組みました。

 ちょうど専用オペレーターによるシステムから、顧客が自分で操作する無人システムの将来構想を検討中で、このシステムを対象に顧客視点でのモジュール共通化に取り組みました。開発の基本方針として既存システムから多くを流用するのですが、将来を見据えてどんなシステム構成を考えておけばよいかが課題でした。

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