2017年12月の宇宙ビジネス通信をお届けします。2107年最後の月にも、New Spaceの時代を象徴するかのような新しい宇宙ビジネスのニュースが数多く配信されました。今回は、以下の五つの出来事をピックアップしました。

【1位】ispace、新しい月面プロジェクトを発表

 2017年12月13日、日本の航空宇宙関連企業のispaceは101.5億円の超大型の資金調達に成功したと報じました。この資金調達は、シリーズAとしては、日本のスタートアップ企業による国内過去最高額、宇宙分野のシリーズAとしても世界過去最高額となります。(ispaceのホームページ

 出資元は、産業革新機構、日本政策投資銀行、東京放送ホールディングス、コニカミノルタ、清水建設、スズキ、電通、リアルテックファンド、KDDI、日本航空、凸版印刷、スパークス・グループです。資金額の大きさに驚かされるとともに、この分野に対する非宇宙企業の期待の大きさがわかります。

 同日にispaceは、二つの新規ミッションも発表しました。一つは、水資源を軸とした宇宙インフラの構築に必要な物資の月への輸送、もう一つは資源探査を含めた月面探査技術の確立です。これらのミッションに向けて独自の月着陸船を2019年末に月周回軌道へ投入し、2020年末には月面ランダーで月への軟着陸を実現する予定です。

 ispaceは、月に人間の生活圏、経済圏を構築することを目指しています。同社の取り組み方の素晴らしい点として、メディアや投資家へのアピールが非常に優れていること、技術ロードマップに説得力があること、市民目線でも理解しやすくB2Cビジネスも意識していること、月のエンターテイメント性に注力していること、などがあると筆者は考えています。日本の経済界だけでなく世界からも大きな期待がかけられています。

ispace社が発表した新プロジェクトでの月面ランダーとローバー
(出所:ispace)
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