2013年1月にH.265/HEVCが標準化され、インターネットでの動画配信等で次世代動画像符号化技術の普及が徐々に進んでいる。動画像符号化技術の標準化対象技術と標準化対象外技術の技術開発において、日本は、長らく世界を牽引するポジションにあり、技術の蓄積があると考えられるが、近年、米国が力を付けてきている。今後は、日本の強みを維持・向上しつつ、他国と差別化を図る新しい取り組みが求められる。

 動画像符号化技術とは、膨大な情報量を有する映像データを放送またはインターネットを介して伝送できるようにしたり、記録媒体に記録できるようにするために、符号化して圧縮する技術のことです。

 図1に動画像符号化技術の適用シーンを示します。動画像符号化技術は、直接的には基本製品であるエンコーダ・デコーダに関わる技術ですが、エンコーダ・デコーダは様々な製品に使用されており、さらにその製品も様々な用途で使用されています。

 次世代動画像符号化技術については、2013年1月にH.265/HEVC(以下、「HEVC」と表記する。)が標準化され、インターネットでの動画配信等で徐々に普及が進みつつあります。HEVCは、UHDTV(4K、8Kなどの超高精細テレビ)においても利用されており、2015年から、各社より放送向けエンコーダチップやコンシューマ向けデコーダチップの出荷が始まっています。

図1 動画像符号化技術の適用シーン
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 このような背景の下、特許庁は「平成28年度特許出願技術動向調査」において、次世代動画像符号化技術に関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)こちら)。

 図2に本調査の技術俯瞰図を示します。本調査では、図2に示す観点、すなわち「用途」「基本製品」「課題」「符号化方式」「対象動画像・走査方式」「要素技術・符号化手法」の観点で特許出願を分類しました。

図2 技術俯瞰図
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