高効率火力発電は、日本の産業競争力を高めてエネルギー・セキュリティを担保する上で不可欠の基盤技術である。また、インフラ輸出や再生可能エネルギー導入の観点からも、今後ますますその重要度を増してゆくものと考えられる。火力発電の分野において、日本は世界最高水準のエネルギー効率を保っている。しかし、近年、石炭火力分野では中国等のアジア勢が急速に追い上げてきており、また、ガスタービン分野では、米国・欧州・日本の世界三極で激しいシェア争いが繰り広げられている。このような現状を踏まえ、更なる高効率化技術の開発、再生可能エネルギー社会に適応できる負荷追従性技術の開発、また、一歩先を見据えた、IoT・ICT技術の利活用に、積極的に取り組むべきである。

 タービンとは、高エネルギーの流体の流れによって羽根車を回転させ、機械的な回転運動のエネルギーに変換するエンジンです。その回転軸を発電機に接続することによって、流体エネルギーから発電することができます。火力発電の歴史においては、作動流体として、まずボイラーで発生した蒸気が用いられる蒸気タービン、続いて、ボイラーを介さず燃焼ガスそのものでタービンを回すガスタービン(図1)が登場しました。

図1 ガスタービンの概要
出典:日本ガスタービン学会ホームページ/「ガスタービンについて」 http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/jetlab/gtsj/
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 本調査の対象となる高効率火力発電・発電用ガスタービンの技術俯瞰図を図2に示します。本調査は、発電用タービンを中心とする「火力発電技術」、およびその要素技術として、ハードウエアとしての「構造・設備技術」、「材料技術」、並びにソフトウエアとしての「燃焼制御技術」、「運転・保守管理技術」を対象とします。関連技術である「CO2回収、利用に関する技術」、あるいは火力発電以外の送配電や地熱・原子力発電等の電気事業に関する技術は、本技術動向調査の対象外とします(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)こちら)。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

図2 技術俯瞰図
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