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特集

パナソニックの太陽電池工場、製造設備がオークション

雇用創出を期待されるも、10年足らずでオレゴンから撤退

2018/05/21 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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新規雇用を期待されたが…

 「Yes Or No? Sold!(この金額でよろしいですか? どうですか? 落札!)」――。5月9日、パナソニックのエコソリューション・ソーラーアメリカが運営していた太陽電池のインゴットとウエハ工場の生産設備がオークションに出された。

 競売にかけられたのは、太陽電池の基板となる単結晶シリコンのインゴット(円柱状の塊)を製造するグロアと呼ばれる単結晶シリコン引上げ装置、インゴットをブロック状に切断(クロッピング、スクエアリング)する加工装置など大型の製造設備から、倉庫とオフィスで使用されていたコンピューター、椅子、ピックニックテーブルなどを含めた計923点に上った(図1)。

図1●オークションに出たパナソニックの単結晶シリコン引上げ装置
(出所:GA Global Partners)
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 この工場はオレゴン州セーラムにあり、もともと三洋電機の米国子会社サンヨーソーラーによって2009年に建設された。当時の総投資額は8000万ドル。同社は新規の雇用創出などを条件に、投資額の半分以上の4200万ドルの立地優遇制度による補助金と税額控除をオレゴン州から受け取った。

 2010年にインゴットとウエハの製造が始まり、日本の滋賀工場でのセル(発電素子)生産を支えることになった。2012年にパナソニックがこの工場を三洋電機から買い取ったが、米国太陽電池製造業は中国産の低価格な太陽電池で採算が合いにくくなってきた。

 製造を開始してから7年目にパナソニックはセーラムでのインゴット・ウエハ加工工場を閉鎖することを発表した。2017年10月時点で解雇されたのは100人弱とみられる。

 今年3月になり、米Reich Borthersが土地面積12万9850平方フィートからなるこの倉庫とオフィスを伴った工場を買収すると発表した。買収価格は発表されていない。

 Reich Borthersは、破産、工場閉鎖、再編からなる商業と工業用の資産の買収、管理、処分などターンキーサービスを提供している。今回、同社はパナソニックから買い取った工場のスペースを他の製造業、またはディストリビューションセンター(物流施設)として再利用するため、生産設備などをオークションで売却することになった。つまり、もはや太陽電池のウエア・インゴット工場として存続することはなくなった。

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