エネルギー産業を取り巻く情勢が大きく変わる中で、関連企業はどの変わっていくべきか。方向性は大きく3つ考えられる。「顧客向けサービスプロバイダー」、「インフラマネジャー」、および「領域特化型プレーヤー」への移行である。

顧客の「便利」「ほしい」に注目

 1つ目の「顧客向けサービスプロバイダー」は、コモディティーであるエネルギー供給にとどまらず、顧客が求める便益を提供する。例えば、家庭にまつわるさまざまなホームマネジメントサービスや、照明・給湯・厨房・空調といったこれまでの範囲にとどまらず、見守り・ホームセキュリティ、快適な空間といった価値を提供するものである。

 商業施設や工場などといった業務用・産業用顧客に対しても、関連サービスに幅を広げた価値提供が可能だろう。いわゆるバリューチェーンの軸に沿ってみると、コモディティエネルギー販売の上下に、さまざまな価値提供の機会がある。上流側では、エネルギー関連設備の販売・設置、これらの最適化に関するコンサルテーション、初期費用なども含めたファイナンス関連のソリューション提供、エネルギーマネジメントシステムの提供が考えられる。下流側では、エネルギーマネジメントに関するサービス提供、省エネコンサルなどがある。

 一足先に競争環境にさらされている欧州の主要ユーティリティー企業も、狙う対象や方向性の違いはあるものの、サービス強化に注力している状況である。IoT、インダストリー4.0、AIなどのテクノロジーの深化により、特徴のある、また付加価値の高いサービスの提供が可能になりつつある。

 領域を広げていけば、競合環境の様相も変わってくる。例えば消費者向けであれば、従来のエネルギー事業者のみでなく、通信会社、アマゾン・グーグルといったIT企業など、消費者にまつわるさまざまな企業が競合となる。自前主義に拘泥せず、オープンイノベーションのような外部との連携も活用して、スピード感のある独自性の高いサービスの開発・提供が求められる。

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