ワークショップの有効性を日本に知らしめたのは、米General Electric(GE)社の「ワークアウト」だろう。現場にはアイデアがあるが、それを評価し承認する時間がなく、誰も動かない。そのような組織の行き詰まり状態から脱却するために、1980年代末に生まれた課題解決手法がワークアウトである。

ワークショップが生み出した初代「iPod」

 ワークアウトは、部門横断で人員を集めた上で、限られた時間内で課題と解決策を検討し、提案についてマネジメントがその場で意思決定をするという点が特徴だ。顧客満足という共通目標に向かって、部門や地域の壁を越え、現場が一致団結して労力と知恵を出し合う。この全社規模でのワークショップの取り組みは、GEの強さに大きく貢献している。

 また、イノベーションを生み出すためにワークショップ的な手法を活用している企業としては、米Apple社が挙げられる。2001年に発売された初代「iPod」は、社内の開発者に加えて、社外のデザイナーや心理学者、人間工学専門家など35人が集められ、ユーザーの音楽ライフを観察することにより11カ月足らずの短期間で開発された。CDからPCへの音楽の保存や、プレーヤーへの移行にユーザーが手間を感じていることを発見して潜在的ニーズを導出。「音楽の聴き方に革命を起こす」「全ての曲をポケットに入れて持ち運ぶ」というコンセプトを生み出し、100以上のプロトタイプの中から、スクロールホイールやAuto-sync(iPodとPCの自動同期)といった斬新なアイデアを具現化していった。

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