コムギ胚芽抽出液を使い、どのようなタンパク質でも合成可能――。こんな技術を武器にタンパク質合成基盤の構築を狙うのが、名古屋大学発のベンチャー企業、NUProteinだ

†J-TECH STARUP銘柄を表彰する「第2回 J-TECH STARTUP SUMMIT」が東京・霞ヶ関で2月1日、13時~開催されます。ここでNUProteinの代表者も講演します(詳細はこちら)。

 一般に、所望のタンパク質の合成には、生物が使われる。目的のタンパク質が作られるように大腸菌などの遺伝子を改変し、これを培養する。そして、目的のタンパク質を抽出する。

 この方法の問題はコストが高いことだ。生物の栄養分となる培地のコストがかかる上、培養に時間がかかる。加えて、合成に失敗することも少なくない。生物にとって毒となるようなタンパク質の合成が不可能という欠点もある。

 一方、NUProteinの手法を使うと、こうした問題を解決できる。使うのは、鋳型となるDNAと、これを転写したRNA、そしてコムギ胚芽抽出液である。生物を使わず、単純な化学反応だけで進められるため、混入物がなく高速で、合成に失敗がないという。

 これを実現可能になったのは、二つの技術がある。一つは、名古屋大学が発見したRNAを安定化させる短い塩基配列。これにより大量のRNAを使って、タンパク質合成ができるようになった。もう一つは、コムギ胚芽からタンパク質の基となる、高濃度のアミノ酸溶液を抽出する技術である。

 NUProteinは、既に、研究開発用に同社の技術を使った無細胞タンパク質合成ができる「試薬キット」を販売中。今後は、コムギ胚芽抽出液の大量製造や、タンパク質への糖鎖付与技術を獲得することで、無細胞タンパク質合成に必要な物質や技術を提供するプラットフォーマの立場を目指すという。

■会社概要■
会社名:NUProtein株式会社
本社所在地:愛知県・名古屋市
事業内容:無細胞タンパク質合成試薬の製造販売および培地添加試薬・バイオ医薬品等の大量合成技術・薬液販売
代表者:代表取締役 南 賢尚
設立:2016年9月