イラスト:ニシハラダイタロウ
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 会社の売り上げというのは、とにかく右肩上がりでなければいけないと、私たちは思っている。確かに、右肩上がりは会社が隆盛になっているように見えるしカッコいい。だが、それは、本当なのだろうか。

 というのは、私は右肩上がりでずっと伸び続けている会社を見たことがないのである。自動車で世界一になったあの会社にも売り上げが落ちたときがあるし、利益が減ったときもあるではないか。私のクライアントの業績も、時に、売り上げが落ちても利益が増えたり、逆に売り上げは伸びたのに利益が出なかったりしている。

 要するに、売り上げも利益も右肩上がりだけというのはなく、上がったり下がったりの山谷(やまたに、凸凹)があるということだ。

 そこで私は、売り上げには右肩下がりがあってもいいと考えた。もっと言えば、売り上げが落ちたときに、それをチャンスと考えるのはどうだろうか。

 思い出すのはリーマン・ショックである。あの時は、実際に売り上げを伸ばした企業などほとんどなかったのではないだろうか。実際、私のクライアントの多くが、いや、ほとんどが売り上げを落とした。落としたどころか「無くした」と言ってもいいくらいに落ちた。今だからこそ言えるが、本当に売り上げが地に落ちたのである。

 だがそんな中、「こうなっては何をやっても売り上げは立たないのだから、いい機会と思って工程改善や設備改善を一気にやってしまおう」と、まるで開き直ったように降り掛かった不幸を前向きに切り返した社長がいたり、「もうやることがないから草むしりをしよう」と工場の周りの草刈りをして周囲の住民に喜ばれた会社もあったりしたのである。これこそ、売り上げも地面もきれいに平らになったということか(笑)。