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電子カルテ、安易に参入・撤退するべからず

日本医師会ORCA管理機構 代表取締役社長 上野智明氏 × 武藤真祐

2018/03/05 10:30

日本医師会が積極的に取り組んできた、標準レセプトソフト「ORCA」を軸とするプロジェクトをさらに発展させるため、地域経済活性化支援機構(REVIC)の支援の下で2015年12月に設立された日本医師会ORCA管理機構(関連記事)。同社 代表取締役社長の上野智明氏に登場してもらった。(編集部)

武藤 日本医師会ORCA管理機構が展開する「日医標準レセプトソフト(通称ORCA)」は、2001年11月に日本医師会が公表した「日医IT化宣言」を受けてスタートした「ORCAプロジェクト」の成果として生まれました。上野さんはその当時からORCAの開発に携わってきたわけですが、どのような経緯で参加することになったのでしょうか。

右が日本医師会ORCA管理機構 代表取締役社長の上野智明氏(写真:栗原克己、以下同)
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上野 ターニングポイントのひとつとして挙げられるのが、1997年9月にあった保険医療機関の窓口における「自己負担金」の増加です。サラリーマンの自己負担金が1割から2割に上がったため、日本医師会としてはこれが要因で「受診抑制が起こるのではないか?」と考えたわけです。このとき、私は「この9月を境に、受診抑制が本当に起きるのかを調べなさい」と言われたため、あの手この手を使って何とか中間報告までは提出したのですが、レセプトコンピュータ(以下、レセコン)メーカーの仕様が各社で違うため詳細まで調べることができず、「ギブアップしていいですか?」と白旗を掲げざるを得ない状況でした。そこから、紆余曲折あって「だったら、使い勝手のいいレセコンを作ってデータを集めてみてはどうか?」という話になったわけです。

 なお、この顛末にはレセコン開発の話が出る前に、私の作った介護保険の要介護認定で使う主治医意見書のテンプレートソフト(医見書)が大ヒットしたという背景も大きく絡んでいました。当時の上司としては「そういったソフトを作れるのであれば、レセコンも作れるのではないか」と考えたのでしょう。しかし、テンプレートソフトとレセコンではだいぶ違いますので、そう簡単にはいきません。さすがに「これは別の優秀な開発者を探さないと無理だ」ということになり、やっとの思いで見つけたのが、当時インターネット冷蔵庫や、音楽のダウンロード端末などを開発していた「ブイシンク」という原宿の会社でした。その関連で、現在もともに開発を進めている「ネットワーク応用通信研究所(NaCl)」と「松江計算機センター(マツケイ)」が実際の開発を請け負いました。マツケイのORCAスタッフは今は全員NaClに移籍しています。

武藤 ORCAプロジェクトがスタートしてからすでに17年。これまでにさまざまな苦労があったかと思いますが、スタート時の構想と比較して、現段階ではどれくらい進んだと感じていますか。

上野 現在、ORCAは約1万7000の医療機関で利用されていますが、利用者の拡大については当初の予定よりも遅い印象です。1万ユーザーの到達までに約10年かかりましたが、タイムスパンとしては当初計画の倍ぐらいかかってしまったイメージです。同じペースではさらに1万ユーザーを増やすのにまた10年かかってしまいますから、利用拡大をもっと加速させていきたい考えです。

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