微細な部品のめっきに求められる特殊技術

 製造の7分類(素材・切削・塑性・成形・高出力・接合・表面処理)の中で、最後にある表面処理の中でも代表的な技術が“めっき”です。めっきとは、被めっき物の表面に目的の金属を析出させることによって、目的の機能を持たせる技術のことです。陽極をめっきの材料、陰極を被めっき物とする電気めっきが、めっきの中でも一般的な技術です。

 例えば本連載第13回で説明した、通電検査用コンタクトプローブの微細なピンやスプリングにも金めっきが施されており、「通電性」「耐食性」などの機能特性を向上させる役割を果たしています。そして、こうした微細な部品へのめっきには特別な技術が求められます。

 一般的に、めっきの方法は次の2つのいずれかです。

1.バレルめっき法

 バレルの中に製品を入れてめっきを施す方法です。長所としては大量生産が可能になります。短所としては製品同士がぶつかり変形しやすいこと、絡みやすいことにあります。また複雑形状の部品の場合は無めっきになってしまう場合があります。

2.静止めっき法

 製品1つひとつを陰極に付けてめっきを施す方法です。長所としてはさまざまな形状・大きさに対応が可能です。短所としてはコストが高くなります。

 しかし肉眼で見ることが困難なレベルの微細な部品については、このいずれの方法も適用できません。バレルめっきでは微細な部品になると、部品同士がくっついてしまい、正確なめっきを施すのが困難です。静止めっきにおいても、微細な部品1つひとつを固定するのは大変な手間とコストがかかります。

図1 網付めっき法で用いられる網かごのイメージ
図1 網付めっき法で用いられる網かごのイメージ

 そこで微細な部品に対しては、「網付めっき法」とよばれる方法を用います。製品を網かごと呼ばれる治具に入れてめっきを施す方法です。 日本和紙を作製する紙すきの要領でめっき中に製品をゆすり、ほぐしながらめっきすることで、無めっきを回避する方法です。

 長所としては、絡みやすい製品や微細部品にめっきが可能となります。製品も変形しにくく、少量多品種への対応が得意です。短所としては大型の部品には適さないことです。図1に「網付めっき法」で使用される網かごのイメージを示します。

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