高精度微細穴でアスペクト比100を実現する放電加工技術

 前回までの連載で述べてきた微細加工技術は、切削工具(回転工具)を用いた「切削」加工によるものでした。「切削」加工が切削工具による接触加工なのに対して、「高出力」による加工は非接触の加工技術です。

 微細加工に用いられる「高出力」加工の代表的なものとして、
  1)放電加工
  2)レーザー加工
を挙げることができます。

 放電加工は、電極とワークとの間にアーク放電と呼ばれる現象を発生させ、物理的にワークを除去していく加工方法です。切削加工と比較した場合の放電加工の長所・短所は次の通りです。

<放電加工の長所>

[1]焼き入れ鋼など、硬い材料に対して加工が容易である。

[2]加工時にバリが発生しない。

[3]非接触の加工であるため、工具(電極)とワークに負荷がかからない。

[4]上記[2]の結果、アスペクト比(L/D)の高い深穴加工が可能になる。

<放電加工の短所>

[1]ワーク加工面が梨地面(=小さなクレーターが集まった状態)になる。

[2]電極形状を反転させる加工法であるため、加工の自由度が低い。

[3]放電加工液中での加工が必須であり、ワークサイズへの制約が高い。

[4]原則、通電性のあるワークでなければ加工が行えない。

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