液晶(LCD)と有機EL(OLED)。大画面テレビに対するこの2つの技術で、韓国のSamsung Display社とLG Display社が真っ向から対立する見解を、「Display Innovation CHINA 2016/Beijing Summit」(2016年11月1~2日、中国・北京)で示した。

 会期初日、パネルメーカーの最初に登壇したSamsung Display社LCD TV Development Center, Executive Vice PresidentのHak-Sun Kim(金学善)氏は、「今後の大画面テレビでは、LCDが現状でベストのソリューションである」と強調した。一方、同日午後の講演の先頭で登壇したLG Display社OLED TV Promotion, Senior ManagerのChanghyuk Park(朴昌赫)氏は、「量子ドットを用いた液晶ディスプレー(QD-LCD)はテレビの発展の一段階でしかなく、究極のテレビは自発光のOLEDである」とした。

Samsung、「大画面テレビ技術ではLCDがOLEDをしのぐ」

 Hak-Sun Kim氏は、LCDとOLEDの技術を具体的に比較しながら、「大型テレビの6つの技術ポイントでLCDの方が優れている」とした(図1)。8Kの大画面および高精細、低消費電力、広色域、高輝度、生産性のポイントである。それぞれ、以下のように指摘した。

 「大画面・高精細に関しては、77型の4KのOLEDに対して、LCDでは既に110型の8Kが実現されている。また、電流駆動のOLEDよりも電圧駆動のLCDの方がシンプルな駆動回路で高精細化に適している。低消費電力では、白色を基調とした明るい画面では、OLEDの消費電力がLCDよりも大きく上回ってしまう。一方、中小型ではOLEDの消費電力はLCD並みになっている。広色域の表示では、OLEDが発光材料自身で頑張らなければならないのに対して、LCDでは量子ドット(QD)をはじめ、カラーフィルターや光源など様々な対策を駆使できる。また、OLEDでは深い黒を表すことができる一方で、LCDはピーク輝度を高めることで高コントラストを実現できる。生産性に大きく関わるプロセスでも、LCDはアモルファスSiで駆動できるため、マスク数の少ないシンプルな製造プロセスが使える。また、焼き付きも起こらない」。

図1 LCDは様々な性能で他のディスプレーをしのぐ
Samsung Display社のHak-Sun Kim氏が講演。
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