ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
[画像のクリックで拡大表示]

 加工にはさまざまな方法があり、それぞれの特徴を生かして選択されています。ここでよく問題になるのが、加工後の「バリ」です。バリは、加工法や加工者のスキルに関係なく発生してしまう厄介なもの。しかも、ほんの小さなバリでも次のようないろいろな問題を引き起こします。

[1]バリの先端は鋭利なので、指を切ってしまう。
[2]寸法測定値に影響する。
[3]組み立て時に剥離し、部品の間に挟まって組立精度が落ちる。
[4]剥離したバリが製品に付着すると不良品になる。

 バリの発生原因は加工法ごとに異なります。切削加工では切粉が倒れ込むことで発生します。また、成形加工ではせん断により材料上部にダレ、下部にバリが生じます。鋳造や鍛造では金型の合わせ面に発生します。

 バリを小さくする対応策はありますが、完全になくすことは不可能です。そのため加工後にバリを除去する必要があります。バリはやすりや専用の工具を使って手作業で除去します。しかし、バリだけをきれいに除去することは困難です。そこで一般に、バリ寸法よりもさらに削り込んで面取り加工を施します。面取りとは部材のコーナーに45°の角度の面をつける加工のことです。記号「C」を使って表記し、例えば「C2」であれば、コーナーの2平面を2mmずつ除去します。C0.1~0.3くらいの面取りを施せば、指を切る危険はなくなります。このレベルのバリ取りでは切粉が糸状になるので、昔の図面では「糸面取り(いとめんとり)」と指示していました。