ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
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 前回、ロボットを使った設備の課題を紹介しました。これに関連し、今回はメカ担当者に頑張ってほしいことを述べたいと思います。昔の設備に比べて、今は圧倒的にメカとエレクトロニクスを融合させたメカトロ化が進んでいます。コンピューター制御により多品種や短い製品寿命への対応力が格段に向上しました。一方、プログラムで制御できる自由度が増えたことにより、本来は開発段階で検討すべき事項がおろそかになり、設備が出来上がってから問題が勃発する案件が見られようになりました。

 昔はロボットもコンピューターも実用のレベルには程遠く、設備といえばカム式が主流でした。カムとは板状の回転板のことで、回転板の輪郭はカム曲線と呼ばれる任意のカーブに設計されています。このカムを回転させると、輪郭に接触させたカムフォロアーが追従して動くことで、左右の動きや上下の動きを生み出していました。動作はこのカム曲線通りに忠実に動くので、設計段階でタイミングやストローク量だけではなく、加減速の度合いも詳細に検討していました。

 しかし、ロボットを使うようになると、動作はプログラムで自由に設定できます。そのため、場合によっては動作時間も検討されず、設備が出来上がってから初めて確認するといった事例も出てきました。これではまさに出来高勝負です。計画していた時間(サイクルタイム)内に稼働すればよいのですが、未達となれば多額な出費に対して投資効果が出ないということになりかねません。能力はいくらプログラムでコントロールするといっても、基本はストローク量と搬送重量に対するモーターの仕様で決まります。つまり、メカ担当者が主体となって検討すべき事項なのです。ソフトウエア担当者に任せ切りではいけません。