西村 仁=ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント
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 加工者の実力を標準偏差で数値化することを前回紹介しました。熟練者の腕も若手社員の腕も、数値で簡単に表すことができます。数値は現状を客観的に把握することができるもの。目標値を定めたり、現状との差を明らかにしたりできるところが利点です。

 半面、「変化」を見るには、数値はあまり有効ではありません。時間とともに比例して向上しているのか。出だしはなかなか腕が上がらなかったけれど、最近急激に伸びているのか。あるいは逆に、出だしは劇的に向上したけれど、最近の伸びは鈍っていないか──。そうした変化をつかむには、数字の羅列は向いていないように思います。

 変化を見る場合に有効なのが「グラフ」です。グラフの利点は、一目で変化をつかめること。例えば、男子100m走の世界記録を調べると、1964年のボブ・ヘイズ選手(米国)の10.06秒から、現在の世界記録である2009年のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)の9.58秒まで何度も更新されてきました。これらの記録の変遷を数字で見ただけでは「徐々に速くなっているな」という漠然とした感想しか持てません。しかし、この記録を折れ線グラフにすることで、大きな変化が一目瞭然となります。

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