1. はじめに

 「第5回 関西高機能素材Week 2017」がインテックス大阪で9月20日から22日まで開催された。本コラムでは、関西高機能素材Week 2017で筆者が注目した技術を紹介する。今回は、住友ベークライトが「次世代の封止樹脂」と位置付ける、パワーモジュール用と3D回路基板(MID)用の封止材料について取り上げる。

2. パワーモジュール封止材料

 最近、自動車やロボット、さらに鉄道などの社会インフラにおいて、パワーデバイスの需要が拡大している。エネルギーの高効率化、高耐圧、大電流の通電性が要求されるパワーデバイスには、SiCやGaNを用いた次世代パワーデバイスが採用されている。SiデバイスをSiCやGaNのデバイスに置き換えることで、電力損失が小さくなり、効率向上による省エネ効果や、200℃以上の高温での動作が可能になることによる冷却機構の小型化などが期待できる。

 このような次世代パワーデバイスを200℃以上の高温環境下で動作させるために、半導体封止用樹脂には耐熱性や絶縁性等のさらなる向上が必要となる。ここでは、住友ベークライトがパワーモジュール専用封止材として製品化した「M200シリーズ」を紹介する。

2.1 パワーモジュール封止材の特徴

 図1に、従来のパワーモジュールと最新のパワーモジュールの比較を示す。最近の動向は、デバイスの小型・軽量化、そして一括封止パワーモジュールへの流れである。そこで、デバイスの接合温度(Tj)上昇対策として、耐熱・高放熱設計が必要になっている。また、使用環境の多様化に伴い、さらなる信頼性が要求される。デバイスの大電流化・高耐熱化への対応が求められる。

図1 従来のパワーモジュールと最近の傾向
(住友ベークライトの資料)
[画像のクリックで拡大表示]

 M200シリーズは、MOSFET/IGT、SiC、GaNなど、さまざまなデバイスに使える。その特徴と対応技術を以下に示す。

・高絶縁性:硬化反応制御技術
・高熱電導:高熱伝導材料
・高耐熱性:特殊レジン
・熱衝撃耐性:低弾性技術
・高密着性:密着強化技術
・反り制御:CTE(熱膨張係数)適正化
・高生産性:成形性制御

 以降では、上記の技術の幾つかについて述べる。

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