米アップルはiCloudやiMessageなどのクラウドサービスを提供するデータセンターを自前で用意している。同社のWebサイトでは、環境に配慮する新しい形のデータセンターとして紹介している。既に100%の電力を再生可能エネルギーだけで賄う仕組みを構築済みだという。

 アップルはそんなデータセンターを中国に新たに開設した。同社にとって中国は米国に次ぐ第二の市場に成長しており、その中国にデータの拠点を置くことは確かに理にかなっている。しかしこのニュースから伝わってくる文脈は、合理性からかけ離れていた。

中国のサイバーセキュリティ法に対応

 アップルが中国にデータセンターを設置する理由について、Bloombergをはじめとする米国メディアは、「中国国内の法律を順守するため」と報じている。

 この法律は「サイバーセキュリティ法」と呼ばれ、2016年11月に可決、2017年6月に施行された。「企業や組織は中国人向けのサービスに関わるデータを中国国内の施設で管理しなければならない」というものだ。

 これが可決されたとき、インターネットでサービスを提供している企業からは大きな批判が上がっていた。中国の情報検閲が強化されることになり、責任を持って当局が不適切と感じる情報を拡散しないように努めなければならなくなるからだ。

 今回のアップルのデータセンター開設は、前述の法律を順守するための措置であり、10億ドルを投じて中国内陸部の貴州省に設置される。省政府による合弁企業によって運営される。前述の新しい法律によると、データセンターの管理は中国企業によって行われなければならないからだ。

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