「思索の副作用」再掲載にあたって
2007年7月から2010年3月まで日経 xTECHの前身サイトの1つ「Tech-On!」で仲森智博編集委員(当時、現・日経BP総研 未来研究所 所長)が執筆したコラム「思索の副作用 」。仲森氏が、思索を巡らし、考えをグルグルしている間に、なぜか奇妙な結論にたどり着く。ふむふむとうなずき、ちょっとタメになり、少し憤ってそこはかとなくもの悲しい。そんな不思議な読後感で、10年近く前のコラムながら今でもコンスタントにアクセスを集める人気があります。さすがにエピソードはチョット古くなってしまっていますが、巡らされた「考え」は新鮮です。そんな5本を選んで再掲載しました。(日経 xTECH編集部)

趣旨
 ニュースが溢れている。追うまでもなく、いくらでも降ってくる。ノックもなしに、いきなり上がり込んでくるやつまでいる。それをつまみ食いして、いつも満腹になった気でいようというのが、当世流なのかもしれない。

 だからこそと、天邪鬼の私は思う。ニュースというどこかで起きた事実をなぞっていくのではなく、それを一度は腹に入れ、自分の脳みそをもって思索にふけってみる。それが、大切なことなのだと思う。別に証拠はないけれど。

 ところが、都合の悪いことに「下手の考え休むに似たり」などという諺がある。さらには「ごまめの歯ぎしり」とも言う。それをひっくるめてやろうとしてい るわけだから、とても威張れたものではない。それを知りつつメゲない気概を買って、多少の暴論妄言はお許しいただければと、伏してお願いする次第である。

仲森智博(なかもり・ともひろ)
日経BP総研 未来研究所 所長
仲森智博(なかもり・ともひろ) 1959年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。1984年沖電気工業入社、基盤技術研究所にて薄膜デバイス、結晶成長法などの研究に従事。1989年日経BP社入社、日経エレクトロニクス副編集長、日経メカニカル(現日経ものづくり)編集長、日経Automotive Technology編集長、日経BizTech編集長、NVCオンライン編集長などを経て2013年から現職。著作に、『テレビが変わる』(共著、1999年、丸善)、『開発者列伝』(共著、2001年、日経BP社)、『思索の副作用』(電子出版、2010年、日経BP社)、『FUKUSHIMAレポート-原発事故の本質-』(共著、2012年、日経BPコンサルティング)、『ものづくり大国の黄昏』(共著、2012年、日経BPコンサルティング)などがある。本コラム執筆当時は電子・機械局編集委員。