今こそ勝負どきと考えた蓄エネ装置メーカーが、開発スピードを一気に高め始めた。蓄電池では、長い間変えていなかった材料や構造を、思い切って見直す決断が相次いでいる。蓄電池だけでなく、水素や熱、圧縮空気などでエネルギーを蓄える蓄エネ装置の開発も熱を帯びてきた。蓄エネ装置を有望市場と捉えてベンチャー企業の進出も盛んだ。

 「これまで、あまりにも進化がなかった。今後は2016年度に性能を2倍に高め、その後もさらに高めていく」(住友電気工業 常務取締役 パワーシステム研究開発センター長の伊藤順司氏)──。再生可能エネルギーの導入量が急増したことで、蓄エネルギー装置にチャンスが到来した。蓄エネ装置メーカーは、これまでにない勢いで技術開発に打ち込み始めた。

 現在、再エネとの組み合わせで広く使われているのは蓄電池だが、それ以外にフライホイールや水素貯蔵システム、蓄熱システムなどが実用化を競っている(図1)。ベンチャー企業も蓄エネの将来性に目を付け、ユニークな技術を引っさげて参戦してきた。蓄エネに注目が集まれば集まるほど、新たな技術が続々と登場する可能性がある。

図1 多様なエネルギー貯蔵技術
電池だけでなく、水素貯蔵やフライホイール、圧縮空気貯蔵など、さまざまなエネルギー貯蔵技術の開発が進み始めた。
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 現時点では、いずれの技術にも一長一短がある。大出力で短時間の充放電に向くLiイオン2次電池やフライホイールは、コスト面や技術面で大容量化が難しい。逆に水素貯蔵や圧縮空気貯蔵は大容量化に向くが、大出力で短時間の充放電を苦手とする。レドックスフロー電池やNaS電池は、それらの中間に位置する(図2)。長所を磨きながら短所を克服して、適用範囲を拡大できるかが普及のポイントになりそうだ。

図2 各技術のカバー範囲が異なる
エネルギーの貯蔵期間や必要な入出力容量によって、適切なエネルギー貯蔵技術がある。各蓄エネ技術は、技術改良によって特性を高めている。(図:各社の資料を基に作成)。
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