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 「若い頃、親子ほども年齢差のある生産現場の職人に文句を言われながら1つひとつ教わった」などと語るベテラン設計者は多い。生産現場などの後工程から設計部門へのフィードバックが多かったことを示すエピソードである。日本メーカーが得意とした、“擦り合わせ設計”による高品質製品の開発を支えた要因の1つであろう。

 多忙を極める現代の設計者は、生産拠点の海外移転などの影響もあり、生産現場に直接足を運ぶ機会が減っている。その代わり、3Dデータに基づいた設計の普及によって、従来よりも情報量の多い設計意図を他の部門に伝達・共有することが容易になっているとも言えよう。生産現場のベテランに限らず、さまざまな部門からのフィードバックを受けやすい仕組みが整ってきた、と見ることができる。

 この連載では、電気設計者、組み込みソフト開発者、生産技術者との3Dデータの共有を通して、設計品質の向上や設計意図のより的確な伝達を図っている企業の事例を紹介し、合わせてそれを実現する上でのポイントを解説していきたい。第1回は、機械(メカ)設計と電気(エレキ)設計の連携(いわゆるエレメカ連携)を3Dデータで実行しているシグマ(本社川崎市)の事例を中心に解説する。

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