製品評価技術基盤機構(NITE)が2013年11月22日に開催した「平成25年度製品安全業務報告会」のポスターセッションにおいて、ある事故事例が紹介された。それは、腕時計を装着した子どもに皮膚障害が発生したという事例だ。裏蓋とリュウズが同時に肌に長時間触れると、皮膚に炎症や重度の火傷を起こす恐れが分かった。

 最初に明らかになった事故が発生したのは2012年2月18日*1。女児が腕時計を長時間装着していたところ、装着箇所に火傷のような跡ができたというものだ。事業者であるマルマンプロダクツ(本社東京)は2012年3月6日、この腕時計のリコール(無料の点検修理)を発表。対象となったのは、2011年2月~2012年3月までに販売した「New スーパーマリオブラザースWiiダイバー大LEDウォッチ(品番:MR003)」(図1)である。

*1 現時点で判明している事故は6件。マルマンプロダクツがリコールを開始した2012年3月以降にも、同年4月、8月、10月に事故が発生している。2012年以前の事故2件も、2012年10月に判明した。

図1●皮膚障害が発生した腕時計
2012年3月6日、マルマンプロダクツはリコール(無料の点検・修理)を実施した。写真:NITE提供
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 この時計は、時刻を表示する本体部(時計ユニット)と、装飾的なLED(発光ダイオード)を組み込んだLEDユニットで構成され、それぞれが異なる電池で動作する。腕時計の盤面側から、時計ユニット、LEDユニット、裏蓋という順に並び、組み付けられている(図2)。

図2●腕時計の構成ユニット
裏蓋を外すと、その下にはLEDユニット、さらにその下に時計ユニットが入っている。写真:NITE提供
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 マルマンプロダクツが事故品を調査したところ、本来は絶縁状態にあるはずの時計ユニットとLEDユニットが、製造不良(組立不良)によって電気的につながった状態になっていた。その結果、ステンレス鋼製の裏蓋と時計ユニットの黄銅製リュウズとの間に6Vの電位差が生じていた。つまり、裏蓋とリュウズの両方が同時に皮膚に接触すると、その間に微弱ではあるが電流が流れ続けることになる。

 では、なぜ皮膚障害に至ったのか。同社が不具合品の裏蓋の温度を計測したところ、体温を超える温度上昇はなく、低温火傷の可能性はない。一方で、事故情報を受け取った製品評価技術基盤機構(NITE)は調査を開始した。

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