ドイツVolkswagen社は、新プラットフォーム「MQB(横置きエンジン用車モジュールマトリックス)」の導入に併せ、ガソリンエンジンを刷新し、「EA211」型を投入した。「up!」の1.0L・3気筒から1.6L・4気筒までをカバーする新型の特徴を開発責任者のHermann Middendorf博士に聞いた。

 従来の鉄製ブロックを使った「EA111」型からEA211型に移行した狙いは、ガソリンとディーゼルで搭載方法を統合して、エンジンやギアボックスのマウントを共通化し、世界各国で販売する様々な車両に迅速に搭載できるようにするためである。
 EA111型は、前方排気であり、後方排気であるディーゼルエンジンと搭載位置が異なっていた。これによって、排気管、ドライブシャフト、変速機などを専用に設計する必要があった。また、搭載角度もEA111型が前方に傾いていたのに対し、ディーゼルエンジンは後ろに傾いていた(図)。
 そこで、EA211型では後方排気であることを含め、搭載位置と角度をディーゼルエンジンと統一した。従来の前方配置では、排気管、触媒などが前にありラジエータとの距離が近く、冷却系の容量が増えていたが、後方排気ではこうした問題も解決できる。  さらに、CO2排出量を削減するため質量を軽くするとともに新技術を盛り込んだ。これまで鋳鉄ブロックだった1.4Lのターボチャージャ付きエンジンの質量は、アルミブロック化などにより126kgから104kgに軽くできた。

以下、『日経Automotive Technology』2012年11月号に掲載
図 先代「EA111」型と新世代「EA211」型の違い
図 先代「EA111」型と新世代「EA211」型の違い
EA211型は後方排気とし、前部のオーバーハングを短縮。さらにディーゼルエンジンとそろえて12度後ろに傾けて搭載する。
出典:Tech Report
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