ツールを利用して比較的手軽に導入できることが利点であるファジングだが、製品開発のライフサイクルに新たに組み込んでいくためには検討すべき課題も存在する。一つは「ファジングの導入・運用に掛かる費用」である。開発ライフサイクルの中でファジングを実施するためにはどの程度の費用が必要で、それによってどれだけの効果を得ることができるのかを見積もることは、ファジングの導入に強い説得力を持たせることにつながる。

図1 ファジング導入までの検討事項
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 もう一つの検討課題は、「テスト期間に対する影響」だ。ファジングを導入するということは、新たに行うテストが一つ追加されるということなので、当然テスト工数は増加することになる。従って、どのようにすればこのテスト工数の増分を小さく抑えることができるかをよく検討しなければならない。

 ソフトウエアのテストにファジングを導入すると言っても、ただ闇雲にファジング・ツールによるテストを行えばいいというものではない。製品の品質を確保するという目的をしっかりと意識し、そのための有効な選択肢としての位置づけを明確にするためには、上記の二つの検討課題に対して納得できる回答を用意する必要があるだろう。そこで、本稿ではこの二つの検討課題について考察する。

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