先週、久しぶりに「CEATEC」に参加してきた。既に主な展示に関しては多くの記事が出ているので、韓国と台湾で経験を積んできたFPDエンジニアとして、筆者の目から見た今回の「CEATEC JAPAN 2013」の感想を報告する。

ソニーの4K有機ELテレビを見る

 まず向かったのはソニーのブースである。もちろん目当ては4K有機ELテレビである。既に報告にあるように、バックプレーンには台湾AU Optronics(AUO)社と共同開発した酸化物TFTを用いている(Tech-On!関連記事1)。将来の製品化時のコスト競争力を考えると、台湾や中国のFPD企業と協力して生産するのは、日本企業が生き残っていく上での必然的な選択だと思う。

 夕日に輝く水面の細やかな反射光、滝から飛び散る水滴、夜景の中の一つひとつの光の煌めきや影の部分でのディテールの表現(ローカル・ディミングでは表現できない超高コントラストによる画像のキレの良さ)など、ため息が出そうな素晴らしい画質である。ただ一つ残念なのは、隣に並んでいる4Kの液晶テレビよりも輝度が低いため、有機ELテレビのコーナーだけダウンライト中心のやや暗めの別照明となっており、その照明の映り込みが気になってしまった。信頼性や消費電力、そしてコストと課題は多いだろうが、是非なんとか商品化までたどり着いてほしいと思う。

ソニーの展示ブース
ソニーの展示ブース
中央にはモバイル端末「Xperia」、奥には4Kテレビ、有機ELテレビはその中央に鎮座していて、ソニーのこの技術に対する期待値の高さを窺い知ることができる。昔の「エレクトロニクスショー」でソニーのブースを見るのを楽しみにしていた一人としては、モバイルとテレビだけという割り切った展示は少々物足りなさも感じるのだが、客観的に見て正しい選択と集中であろう。

4K有機ELテレビの表示画像
ソニーの4K有機ELテレビの表示画像
残念ながら筆者の古いガラケーではうまく撮れなかったが、このサイズで交差点を行き交う人々のシルエットが一人ひとり、くっきりと見えるのは感動的である。

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