「最近、引き合いが増えている」。こう語るのは、「ディスコンLSI再生サービス」を担当する、東芝情報システムのブースの説明員だ。ディスコンLSI再生サービスは、ディスコン(製造中止)になったASICの代替チップを開発・製造するサービス事業である。東京ビッグサイトで2013年5月8日~10日に行われた「ESEC 2013/組込みシステム開発技術展」の同社ブースで、話を聞いた。

東芝情報システムのブース
Tech-On!が撮影。最終日(10日)の午後に撮影。ひっきりなしに質問をする人がいた。
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 東芝情報システムは長年、さまざまな形でASICの開発支援を行ってきた。過去のESECでも各種の支援サービスを紹介している(Tech-On!関連記事1同2同3)。ディスコンLSI再生サービスは2009年に始めたという。最近になって、問い合わせが増加している。増加の波は3回にわたって押し寄せたという。

 1回目は2011年3月の東日本大震災によるもの。製造ラインが損傷を受け、被害のあった古いプロセスのラインは微細なプロセスのラインとして復旧され、ディスコンが発生したという。2回目は、ルネサス エレクトロニクスの構造改革だとする。工場閉鎖などによって、ディスコンが発生したという。3回目は、富士通の半導体事業の見直しである。まだ、先が見えない部分もあるが、ディスコンを心配しての問い合わせが多くなってきたという。富士通(現在は富士通セミコンダクター)とルネサス・エレクトロニクス(旧NECエレクトロニクス)は、共に過去、ASICに力を入れていた半導体メーカーだ。問い合わせが増加することに納得がいく。

 東芝情報システムでは、すでに、10件のディスコンLSI再生サービスを実施した実績がある。これまで「再生」したASICの大半は+5V動作で、プロセス・ルールで言えば、0.7μm~0.5μm、開発してから10~15年経っているチップだという。「500~600万円の産業機器が数百円のASICのために製造できなくなるということで、相談を受けたケースがあった」(ブースの説明員)。

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