「世界が直面している問題を工場が解決する」といったら、大げさだと思うだろうか。この壮大なコンセプトを本気で実現しようとしている国がある。ドイツだ。現在、ドイツ政府は「Industry 4.0」(インダストリー4.0、ドイツ語ではIndustrie 4.0)と称する高度技術戦略を掲げ、産官学一体のプロジェクトを推進している。

 そのコンセプトを一言で表すとすれば、「つながる工場」である。インターネットなどの通信ネットワークを介して工場内外の物やサービスと連携することで、今までにない価値を生み出したり、新しいビジネスモデルを構築したりできる。ひいては、それがさまざまな社会問題の解決に結び付くというのだ。

 Industry 4.0の大まかなコンセプトは、2011年にドイツで開催された産業機器の展示会「Hannover Messe 2011」で明らかにされた。そして、2年後の「Hannover Messe 2013」では産官学の有識者から成るワーキンググループ(WG)による最終報告が発表された(ドイツ語版英語版がある)。以下では、この最終報告に沿ってIndustry 4.0の中身をひも解いていく。

 Industry 4.0のWGには、ドイツを代表する企業や研究機関、大学が名を連ねている他、政府機関からもオブザーバーを招いている。主な企業としては、ABB社、BASF社、BMW社、Bosch社、Daimler社、Infinion Technologies社、SAP社、Siemens社、ThyssenKrupp社、TRUMPF社などが挙げられる。

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