2011年10月初めよりタイ中部を中心に大洪水。日本のニュースでも大きく報じられたが、その後、タイはどのようになったのだろうか? 洪水対策やインフラ整備が急ピッチで進み、タイの生産は、今後3倍以上に拡大する見通しだという。

大洪水のその後

 2011年10月初めよりタイ中部を中心に大洪水が発生。日系企業が多く展開するアユタヤ県を中心とした工場団地が冠水し工場が操業停止になる被害が出た。日本からは多くの自動車や自動車部品の工場が展開していて、東南アジア全域の自動車サプライチェーンに甚大な影響を及ぼした。

 このことは、日本のニュースでも大きく報じられた。しかし、その後、タイはどのようになったのだろうか?

 そもそも、タイ、特にバンコクは海抜が低く平均9センチ程度しかない。だから、水はけが悪く、ちょっとした雨が降っても街が水浸しになってしまう。再び、2011年の様な豪雨が襲えば、再度洪水になる危険はあるのだ。

「今後のタイの洪水を嫌ってインドネシアに多くの工場が移転をするという噂も出ましたが本当ですか?」――私は、昨年末、タイに進出している多くの日系企業に不躾にもそう問いかけをしてみた。

「今回の洪水について、一昨年の12月までにはほぼ排水が完了しました」

「タイでの日系工場は、既に正常生産に戻っています。多くの工場では、本社からも大勢のスタッフが応援に駆け付け、ほぼ半年ぐらいで多くの工場は正常に戻りました」

「インドネシアに移転する!?そんなことはあり得ません。タイの生産は、今後3倍以上に拡大する予定です」

 私の心配は、まったく当てにならず、どこからも力強い回答が返ってきた。

 2015年にはASEAN(東南アジア諸国連合)の統合があり、域内で関税が撤廃される動きにある。ベトナムからカンボジア、ミャンマー、その先にインドとASEAN東西回廊がハイウエーでつながる計画もあり、その拠点がタイになるのも間違いない。洪水の心配なんてなんのその。世界で最も成長する拠点としての期待が高いのだ。