トヨタ自動車は、熱効率に優れる、排気量2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンエンジン「Dynamic Force Engine(2.0)」を、「人とくるまのテクノロジー展2018」(2018年5月23~25日、会場はパシフィコ横浜)に出展した(図1)。最大熱効率は40%で、エンジン専用車向け排気量2.0Lガソリンエンジンとして世界最高とみられる。「もうすぐ市場投入する新型車に搭載する」(同社の技術者)計画。

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図1●排気量2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンエンジン「Dynamic Force Engine(2.0)」
最大熱効率が40%と高い上に、出力も引き上げた。

 モジュラーデザインである「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の設計思想を踏まえて開発した。熱サイクルは、高膨張比で熱効率の向上に有利なアトキンソンサイクルを採用。具体的には、下死点を超えて圧縮行程の途中で吸気バルブを閉じる、いわゆる「遅閉じミラーサイクル」である。ボアストローク比(行程/ボア)は1.22のロングストロークだ。圧縮比は13である。

 従来の「ZR型」エンジンに次ぐ新系列の「M20A型」エンジンとなる。同社の排気量2.0Lの4気筒ガソリンエンジンは、「S型」から「AZ型」、ZR型、M20A型と進化してきたが、「ZR型からM20A型の進化が最も大きい」(同技術者)。事実、熱効率を38%から2ポイント高めただけではなく、本来はトレードオフである出力も引き上げた。最高出力は126kW(約171馬力)もあり、「低燃費でありながら、走りを我慢しないエンジン」(同技術者)に仕上げている。

 効率と出力の両方を引き上げた最大のポイントは、吸気ポート設計にある(図2)。まず、バルブ狭角を広げてバルブ径を大きくし、空気の流量を増やした。かつ、吸気ポートをバルブのシート面まで直線的に伸びたストレートポートを実現した。なお、これは2016年12月に同社が発表した排気量が2.5Lの「Dynamic Force Engine(2.5)」の設計と同様である。

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図2●エンジンの内部構造
吸気ポートを直線状の「ストレートポート」にすることで、タンブル流を強くし、かつ空気の流量を増やした。これが高速燃焼を生み、熱効率と出力の両方の向上に大きく寄与した。

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