トヨタ紡織は車載電池の領域に参入する。2020年代前半の市場投入を目標に開発中のリチウムイオン電池セルを、「人とくるまのテクノロジー展2018」(2018年5月23~25日、パシフィコ横浜)で披露した(図1)。トヨタ系列の部品メーカーとして蓄積してきた材料の設計・加工技術を“総動員”して、高出力を発揮できる電池を開発。車両の電動化で鍵となる電池を手掛け、将来的な稼ぐ力を養う狙いだ。

図1 トヨタ紡織が披露したリチウムイオン電池セル
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 同社はこれまで、内外装やフィルター、エンジンの吸排気部品などを主に開発してきた。リチウムイオン電池セルを開発するのは初めてだが「多くの既存技術を流用して実現できた」(トヨタ紡織の開発担当者)という。

 例えば、フィルターの製造には、ろ過や微細な繊維を加工する技術を使う。これらは、正極材と負極材の中間に挿入するセパレーターの開発に生かせる。電気自動車(EV)向けのモーターコアを加工する精密金型・プレス技術は、電池セルの組み立てに生かす。モーターベンチや電池の評価ベンチなど、電池セルの信頼性を確かめる設備もすでに所有している。

高出力HEV向けに

 トヨタ紡織が開発した電池セルは、容量が約15Whのラミネート型である。数十枚のセルを組み合わせてモジュールにし、数個のモジュールを組み合わせて電池パックに仕上げる。

 開発品の最大の特徴は出力密度が高いことだ(図2)。トヨタ紡織の試算によると、一般的なハイブリッド車(HEV)向け電池の1.5~2倍の出力密度を実現したという。EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの電池のように、エネルギー密度を高めて航続可能距離の向上を狙うのではなく、高出力を追求した。一定時間エンジンの駆動を補助するようなHEVへの適用を目指す。

図2 一般的なハイブリッド車(HEV)向け電池の1.5~2倍の出力密度を実現
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