パナソニックは、子供向けの学習用プログラミング言語「スクラッチ」を使って家電などを操作できる家「スクラッチホーム」のコンセプトを「SXSW 2018」で展示した。プログラミングによる制御・管理対象を家の家電とすることで、従来のソフトウエア中心のプログラミング教育よりも想像力を高められると見込む。

スクラッチホームの展示。左のレゴの建物の扉を開けると、スピーカー(左奥)から「コケコッコー」という音が再生される
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 開発の中心となっているのは、同社 ビジネスイノベーション本部 AIソリューションセンター リビングスペースソリューション部の高田和豊氏。もともとはAI(人工知能)などを研究していたが、MITのメディアラボのライフロングキンダーガーテングループに入ったことをきかっけにスクラッチの活用を研究するようになった。「教育の研究所なので、“クリエイティブラーニング”(作ることで学ぶ)であることがスタートになった」(高田氏)。

パナソニック ビジネスイノベーション本部 AIソリューションセンター リビングスペースソリューション部の高田和豊氏。MITメディアラボの客員研究員としても研究を進めている
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 課題と考えたのが、教育に使われるスクラッチによるプログラミングの制御対象がほとんどパソコン上の処理であること。ハードウエアを制御するケースも、センサーやレゴなどによるロボットを制御することが多い。こうした場合「抽象度が高く自由度が高い分、できる子はいろいろと楽しめるが、できない子は何をすればいいのかアイデアが浮かばず、意外に想像が膨らまない」(高田氏)。

 そこで、スクラッチを使って家電などを制御する、「スクラッチホーム」を思いついた。例えば、誰かが玄関を開けたらスピーカーから大きな「コケコッコー」という鶏の鳴き声を再生して驚かすといった、いわゆるいたずらだ。いたずらを“デジタル化”することで、「家は大きな遊び場になる」(高田氏)。ホームパーティーに向けてたくさんのいたずらを開発したり、実利に向けて手伝いの効率化・自動化を試みてもいい。朝起きたらカーテンを開けてコーヒーを入れる、といったルーチンワークを自動化して暮らしを便利にするといったことも可能だ。「家のことは生活に密着している。その人なり、あるいはその家庭なりのやり方をしているが、誰もが何らかの不満を持ち、必ずアイデアを持っている。これを教育に生かせないかと考えた」(高田氏)。

スクラッチホームにより、「クリエイティブスパイラル」を回す
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 もう1つ注目しているのが、スクラッチホームによる「ファミリークリエイティブラーニング」だ。多世代へのプログラミング教育が実現できると見込む。「プログラミングの義務教育化で子供はプログラミングできるようになるが、親世代はプログラミングが分からない。でも家のことなら親もアイデアを持っているから、親世代も興味を持って取り組める。家族で一緒にスクラッチホームに取り組めば、家の中で“インタラクション”が起こる」(高田氏)。

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