現在開催中の「SXSW 2018」(2018年3月9~18日、米国オースティン)のカンファレンスで、中国イーハン(EHang)が「Future of Autonomous Flying Car is Coming」と題して講演し、人を乗せて自動運転する1人乗りの大型ドローン「EHANG184」の様子を動画で紹介した。「現在開発中の2人乗りタイプについて、2018年夏に価格を発表する」(EHang Cofounder&CMOのDerrick Xiong氏)と、実用機の発表予定を明らかにした。

紹介された、人を乗せて自動運転する大型ドローン「EHANG184」の動画。人が乗っているのが分かる。こちらはプロペラが4組の第1世代とみられる
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 EHangは2014年に広東省広州市で創業したベンチャー企業。2014年に、難しい操縦の習得が不要でスマホで操作できる小型のドローン「Ghost Drone」に対して、クラウドファンディングのIndiegogoで資金を募り86万米ドル(1米ドル=107円換算で約9200万円)を集めた。2017年の旧正月(2月)には、広州市中心部にあるCanton Tower(広州塔)の夜空を1000台のUAVが光りながら舞い文字や絵を形作るパフォーマンスを披露した(プレスリリース)。これは同社のドローンの自動操縦機能を応用したもので、1000台を1台の地上の制御コンピューターで制御・管理したという。GPSの精度1~2mを実質1~2cmの精度にすることが難しいという。また、観客のスマートフォンからの電波の影響も受けずに機能した点も強調していた。

Canton Towerを彩るUAVとしてのドローン(スライド部分は明るさを加工しています)
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 同社では、こうした自動操縦機能を「空飛ぶクルマ」に応用できるとする。「従来のクルマは2次元での動きだが、空飛ぶクルマは3次元になり、操縦が難しくなる。飛行機やヘリコプターのように特殊な訓練が必要では、誰もが簡単に運転できる“クルマ”にならない。空飛ぶクルマは出発地と到着地を指定するだけで、搭乗者は操作しない自動運転であるべき」(Xiong氏)。

 講演では、人が乗れる大型ドローンのEHAN184が平原や畑などを飛ぶ様子のほか、建物の多い都市部を飛ぶ様子、中に人が乗って飛んでいる様子などを紹介した(関連するプレスリリース)。特に、乗っている人がXiong氏本人や同社CEO、さらには広州市市長や女性など様々であることを強調し、「誰でも乗れる」(Xiong氏)点をアピールした。

プロペラが8組ある第2世代機
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 紹介された動画からは、開発機にはプロペラが4組の第1世代と、8組の第2世代があるようだ。第2世代機は「積載量が合うので大丈夫」と大人の男性2人がやや窮屈そうに乗り込みながらも飛行する様子が紹介された。このほか、高度300mまでの上昇飛行、霧の中、台風の中といった悪天候での飛行など様々な条件で試験を行っているという。

 操作は原則自動操縦で、地上のセンターでまとめて管理することを想定する。広東省Shaoguan市と協力し、同市に空飛ぶクルマ向けの集中監視指揮統制センターを建設する(プレスリリース)。通信には、中国ファーウェイ・テクノロジーズの協力を得て、4Gまたは4.5Gの導入を検討しているという(プレスリリース)。

 講演後は質問が相次いだ。CEOは米国大学出身であることを紹介したため、「なぜ米国でなく中国で開発するのか」という問いも出た。これに対して、「中国は新技術に対してオープンマインド。AIの事例と同じく、自治体も次世代産業の育成に向けて積極的に支援してくれる。だから中国で開発する」(Xiong氏)と述べた。

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