いつまでも一人前に成長できない、ストレスで心身を壊してしまう―。こうした状況に追い込み、部下を潰してしまうリーダーがいる。典型的なのが周りの誰もが優秀と認める「切れ者」タイプ。心当たりのある人は行動を「指示」から「問い」に変えよう。部下を潰さず育てるリーダーになれる。

(イラスト:小林ちか子)

 どのような職場にも“切れ者”と評価されるリーダーがいるはずだ。状況を素早く把握し、メンバーに的確な指示を出して問題を解決する。切れ者は短期的には高い売り上げや利益を達成して、会社から高く評価される。

 ところが、こうした「切れ者リーダー」の率いるチームは、時間がたつとともに成果を出せなくなることが少なくない。部下が潰れ、チームが機能不全に陥ってしまうからだ。加えて、切れ者リーダーは昨今のITシステムで求められる複雑な問題解決に向かない。成果を求めて切れ者として振る舞っているはずなのに、意図と逆の結果になってしまうのだ。

 切れ者リーダーはメンバーへの一方的な指示で問題解決に当たる。メンバーを手足のように使って、手っ取り早い解決を目指すスタイルだ。こうしたリーダーの下にいるメンバーは能力アップの機会が少なく、問題解決力がダウンしていく。メンバーには「やらされ仕事」という感覚が強く、ストレス耐性にも悪影響を及ぼす。最終的には潰れてしまう。

切れ者リーダーの「指示」が部下を潰す
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 また、切れ者リーダーは情報を自分に集中させ、自分1人が判断して指示するスタイルを好む。これが時代に合わなくなりつつある。最近はIoT(インターネット・オブ・シングス)に代表されるように、過去には考えられなかった領域でもシステム化が進んでいる。技術的に難しいうえ、ステークホルダーが多岐にわたる。こうした複雑な問題の解決策を、たった1人の知見や思考から生み出すのは不可能だ。

 今求められているのは、メンバーに考えさせる問い掛けをする「対話型リーダー」だ。メンバーの能力向上を通じた問題解決を目指す。解決までに要する時間は長くなるが、多くの意見や知見を統合して複雑な問題を解決できる。

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