企業のITは経営と連動し、競争戦略に直結するものが増えてきた。IT部門に要求されることもより複雑で高度になり、迅速な対応が求められている。本特集では日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した最新の調査結果をまとめた「企業IT動向調査2018」を基に、2018年度の企業ITをめぐる重要テーマを5回にわたって紹介する。

 デジタル化による事業モデルの変革をはじめ、IT活用による働き方改革や生産性向上の取り組みが求められている。そんな中で企業のIT部門はどのようなテクノロジーに期待しているのか。また実際にどんなテクノロジーを導入しているのか。

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した「企業IT動向調査2018」では、「基盤系テクノロジー」「アプリケーション」「方法論・フレームワーク」などの分野で31種類の新規テクノロジーやフレームワークを示すキーワードを取り上げ、それぞれの導入状況や注目度を調べた。AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)などの導入が一層進んでいる状況が明らかになった。

AI、マスターデータ管理、IoTの普及率伸びる

 以下は、2017年度調査で普及率が高かった順に、31種類のキーワードを並べたグラフである。「導入済み」「試験導入中・導入準備中」「検討中」の合計が30%以上を「普及率高」、合計値が10%~30%を「普及率中」、合計値が10%以下を「普及率低」に分類した。

新規テクノロジーやフレームワークの導入状況
(出所:日本情報システム・ユーザー協会、以下同じ)
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 各種クラウドやモバイルデバイスマネジメント、モバイルアプリケーションといったデバイス関連、IoT、AI、ビッグデータ、マスターデータ管理、経営ダッシュボードについて、積極的な検討が進んでいる。

 2016年度調査と比較すると、AIが20.0ポイント増で前回の11位から7位に、マスターデータ管理が13.0ポイント増で前回の10位から9位に順位を上げている。IoTは前回と順位は6位と変わらないものの、9.7ポイント増となった。近年、企業が導入に向けて積極的に取り組んでいることが見て取れる。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)については2017年度調査から追加したが、11位と関心が高い。

 逆にモバイルアプリケーションは、2016年度調査から3.2ポイント減少して前回の3位から5位に順位を下げた。またIT-CMF(IT Capability Maturity Framework:IT能力成熟度フレームワーク)やデザイン思考、DevOpsといった方法論やフレームワークに対する関心は、前回調査に引き続いて低い。

 2016年度調査と比べた導入状況(「導入済み」「試験導入中・導入準備中」の合計)の伸び率を以下に示す。ポイント差が大きい順に、「AI」が8.7ポイント増、「マスターデータ管理」が8.4ポイント増、「IoT」が6.9ポイント増と上位を占める。なお、「RPA」「FinTech」「ブロックチェーン」「仮想通貨」の4項目は、2017年度調査から追加した項目であり伸び率を算出できないため対象外とした。

新規テクノロジーやフレームワークの導入状況(2016年度調査時からの伸び率順)
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