企業のITは経営と連動し、競争戦略に直結するものが増えてきた。IT部門に要求されることもより複雑で高度になり、迅速な対応が求められている。本特集では日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した最新の調査結果をまとめた「企業IT動向調査2018」を基に、2018年度の企業ITをめぐる重要テーマを5回にわたって紹介する。

 ビジネスのデジタル化が加速する中で、企業のIT人材に求められる役割は広がり、多様化が進んでいる。過去の景気低迷期に採用を圧縮してきた企業は、こうした新たな役割を主体的に担う人材の不足に悩んでいる。企業経営者やIT部門長にとって、必要なIT人材の確保は一層重要な課題であろう。

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は「企業IT動向調査2018」において、IT人材に関して調査した。IT人材の増強意欲が高まっており、中でも活発に中途採用している企業が多い状況が浮かび上がった。

IT要員の拡大傾向はここ5年で最大

 次のグラフはIT要員数の増減傾向を、過去5年分示したものである。IT部門の要員数はここ5年間増加傾向が続いているが、2017年度はその傾向が顕著である。人材を「増やす」割合から「減らす」割合を差し引いて求めたDI(ディフュージョン・インデックス)値は9.4ポイントと、過去5年間で最大になった。

IT要員数の増減傾向
(出所:日本情報システムユーザー協会、以下同じ)
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 事業部門や情報子会社でも、同様の傾向が見られる。いずれも、DI値は過去5年間で最も高い。特に情報子会社はDI値が22.3ポイントと高く、人員増を図っている様子が読み取れる。

 IT要員の実数は業種グループによって差がある。業種グループ別のIT部門の要員数を見ると、金融では43.9%、社会インフラでは22.4%の企業が、50人以上のIT要員を擁している。特に金融は7.0%の企業が300人以上のIT要員を擁するなど、他業種グループと比べて規模が大きい。

業種グループ別 IT部門の要員数
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 一方で、サービスは48.6%、商社・流通は42.7%、建築・土木は45.1%の企業が、IT要員数を5人未満と回答している。これらの業種グループは、社内にあまりIT要員を抱えていないと分かる。情報子会社を擁する、もしくは外注化を図っていると考えられる。

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