企業のITは経営と連動し、競争戦略に直結するものが増えてきた。IT部門に要求されることもより複雑で高度になり、迅速な対応が求められている。本特集では日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した最新の調査結果をまとめた「企業IT動向調査2018」を基に、2018年度の企業ITをめぐる重要テーマを5回にわたって紹介する。

 デジタル化はバズワードではなく、待ったなし――。そんな現実が浮かび上がった。IoT(インターネット・オブ・シングズ)、AI(人工知能)、ロボティクス、ビッグデータ、FinTechなどを使ってビジネスの強化や効率化を進める日本企業は着実に増えているようだ。

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は「企業IT動向調査2018」の重点テーマとして、ビジネスのデジタル化に関する調査を実施した。ビジネスのデジタル化の検討状況やIT部門の役割・人材などに関して、各社に尋ねた。

 本調査ではビジネスのデジタル化を「ITの進化により、様々なヒト・モノ・コトの情報がつながることで、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを実現すること、プロセスの高度化を実現すること」と定義している。

デジタル化を「実施している」と「検討中」を合わせると50%以上

 デジタル化の取り組み状況について、2017年度と2016年度を比較してみよう。2017年度(全体)は「実施している(成果あり)」が8.7%、「実施している(効果検証中)」が12.2%だった。これらを合算すると「実施している」は20.9%で、2016年度を5.4ポイント上回り、着実に進展していることが分かる。2016年度は「実施している(成果あり)」が5.2%、「実施している(効果検証中)」が7.3%だった。2017年度のデジタル化の取り組み状況については、「検討中」を含めると52.2%。2016年度は「検討中」を含めても40%弱である。

年度・売上高別 デジタル化の取り組み状況
(出所:日本情報システム・ユーザー協会、以下同じ)
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 売上高1兆円以上の企業では、2017年度調査での実施済みは7割超と既に大半が取り組んでいる。2016年度から23.7ポイントと大幅に伸びていることも特徴的である。この1年間で急速にデジタル化が進展していることがうかがえる。

 実施予備軍である「検討中」も26.1%と多い。「実施済み」と「検討中」の合計は97.8%。売上高1兆円以上の企業では、デジタル化に取り組んでいない企業はごく少数となっている。

 売上高1000億~1兆円未満の企業でも、2017年度調査での実施済み企業の割合は35.2%に上る。2016年度調査の20.2%から15ポイント伸びている。それ以外の売上高規模においても、デジタル化に取り組んでいる、または検討中の企業は増加している。

 業種グループ別に取り組みの状況を見ると、最も進展している業界は金融である。2017年度は「実施済み」「検討中」がいずれも35.1%と、合計で7割がデジタル化を実施または検討している。これに次ぐのが社会インフラや機械器具製造で、実施または検討済みの割合が6割を超える。

年度・業種グループ別 デジタル化の取り組み状況
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 これらの業界は2017年度と比較しても、実施済みの企業の割合が増えている。2016年度に比べて、2017年度は金融で17.2ポイント、社会インフラでは13.3ポイント、機械器具製造では12ポイント増と、この1年でデジタル化の取り組みが活発化していることが分かる。

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