中国のODM/OEM企業を使えば誰でも「ものづくり」ができる――。そんな風に考えていないだろうか? もちろんそれは真実ではない。Cerevoの創業者で、現Shiftallの岩佐琢磨CEO執筆の第2回は、お金がないスタートアップの創業期に欠かせない「二刀流剣士」がなぜ必要か。外観デザインと機構設計を担うエンジニアをどう手当てするかを考えてもらった。(日経 xTECH編集部)

 岩佐琢磨です。前回は「製造・輸送」以外の過程をすべて内製するIoT機器スタートアップを想定して、その開発チームに人員構成、そして外注する場合も考慮した費用について考えてみます。今回はどんな製品にも必ずある「筐体」の設計を担うのに必要な人員構成と費用について考えてみます。

筐体を作るにはデザインと機構の設計が必要

図 意匠設計と機構設計の違いを家造りで例えると…
意匠設計が家の形状、外観、内装の材質などを考えるのに対して、機構設計者は柱の組み方やその材質、本数、土台の作り方などを検討する
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 筐体というのは製品の外装部品です。通常は中の電子基板や場合によってはモーターなどの機構部品を収め、壊れないようにしっかり支える構造を兼ね備えます。小型PC(パソコン)ボードの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」や自作PC用の「グラフィックスカード」のように、基板むき出しで販売されるハードウエア製品もありますが、普段当たり前のように使っているさまざまな家電製品、例えば懐中電灯にも電源タップにも、必ず「筐体(きょうたい)」があります。今回はこの筐体がどのような職種の人たちによって作られているのかを説明していきます。

 外装・構造部品の設計は大きく「意匠(デザイン)」と「機構」のパートに分かれます。意匠設計は主に外から見える外観部分の設計を行ないます。一方の機構設計は内部構造、つまりユーザーには見えない内側で、強度や耐久性を担う構造部分を設計します。家に例えると分かりやすいでしょう。家の外観や内装のデザインが意匠設計、家が倒れたり壊れたりしないように、土台をどう作るか、どこに何本、どんな素材の柱や梁を通すのかを考えて設計するのが機構設計です。

 英語では、意匠設計は「Industrial Design(ID)」、機構設計は「Mechanical Design(MD)」と言います。海外工場とやりとりをする際によく出てくる用語ですので、覚えておくとよいでしょう。

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