経済評論家で中央大学ビジネススクール客員教授を務める勝間和代さん。勝間さんが最近、自ら料理教室を開くほど力を入れているのが「スマートクッキング」である。その中核になっている考え方の1つは「調理は家電に任せる」というもの。長年の勘や経験を基に鍋やフライパンなどを駆使する不安定な調理より、機械に任せてしまった方が正確な火加減が可能で、確実においしくなるという発想の転換がある。これに加え、100℃に満たない温度帯で野菜を「低温蒸し」するという、家電製品を使わないと絶対にできない調理法も多用する。では、なぜその調理スタイルにたどり着いたのか。勝間さんに聞いてみた。

経済評論家で中央大学ビジネススクール客員教授を務める勝間和代さん
(写真:栗原克己)
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勝間和代(かつま・かずよ)
経済評論家・中央大学ビジネススクール客員教授
1968年東京生まれ。経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶応大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。幅広い分野で発言をしており、ネットリテラシーの高い若年層を中心に高い支持を受けている。著作多数、著作累計発行部数は500万部を超える。

レシピ通りなのに「まずい料理」ができあがる

 勝間さんを「スマートクッキング」に導いた最初のきっかけは、「おいしくないレシピ問題」だった。

勝間さん: 世の中にはいろいろなレシピがありますけど、おいしいものとまずいものがある。なぜおいしいか、なぜまずく出来てしまうか理由が分からないので、1つ1つ試していちいち区分けしていくしかない。それをするのがとても面倒だと思ったんです。

 それなら最初からレシピを使わず、シンプルな考え方で全部の調理ができた方が話が早いですよね。そんな調理法はないかと検索したらちゃんとレシピを使わずにおいしく作れる手法を説明した本が見つかりました。その1つが(シェフで料理研究家の)水島弘史さんの本でした
水島シェフの「水島シェフのロジカルクッキング――1ヵ月でプロ級の腕になる31の成功法則」
水島弘史 著、亜紀書房、2012年(画像出所:亜紀書房)

 レシピ不要の料理と聞くとそんなバカなと思うかもしれないが、水島さんは2012年に発売した「水島シェフのロジカルクッキング――1ヵ月でプロ級の腕になる31の成功法則」という本で塩加減、火加減を科学的に決める「ロジカルクッキング」を提唱し始めた。

 個別のレシピで料理を作るのではなく、食材の重量を量って塩加減を決め、タンパク質の変性温度から決めた加熱の温度と時間を厳密に管理して調理すると、だれでも必ずおいしい料理が出来るという考え方だ。実はそれ以前に「美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!」という本からこういった火加減、塩加減、切り方のルールを提唱し始めている。

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