IT・家電ジャーナリストの安蔵 靖志さんはデジタル家電や生活家電取材のスペシャリスト。今回、そんな安蔵さんに「最近売れているキッチン家電」と、それが売れてる理由を解説してもらうのがこの連載だ。初回の今回取りあげるのは「時産」キッチン家電である(日経 xTECH編集部)。

 少子高齢化や世帯状況の変化によって、キッチン家電のあり方も変わりつつある。

共働き世帯は2017年で、専業主婦世帯の2倍近くなっている 出所:厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」、総務省「労働力調査特別調査」、総務省「労働力調査」より)
[画像のクリックで拡大表示]

 最も大きな変化は共働き世帯の増加だ。2017年の段階で専業主婦世帯の2倍近い約1188万世帯に達した。約40年前の1980年頃は今と全く逆で、多数を占める専業主婦世帯が共働き世帯の約2倍だった。こうした世帯状況の変化を背景に注目を集めているのが「時産家電」、つまり「時間を生み出す家電」である。

 「時産」というのは「時短」にも似た言葉だが、何かの作業にかける時間を短縮する「時短」とは少し違う。「日々の生活における作業と作業の合間に新しい時間を作り出す」という意味だ。単純に作業時間を短縮するのではなく、合間作業を可能にする。ここに大きな価値がある。

 最たる例に「食器洗い乾燥機」がある。食器をザッとお湯で流してセットしたら、後はボタンを押すだけできれいに洗って乾かしてくれる。食器を洗う作業を自動化して省力化するという側面もあるが、食器洗いと片付けに要する時間の長さだけを取り出して考えるとむしろ増加している可能性もある。しかしその間ユーザーは作業はもちろん、機械を見張っている必要すらない。何かの別の作業やリラックスタイムなどに使える時間を生み出しているとも言えるのだ。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら