ドローンの活用分野として測量や構造物の点検と並んで期待されているのが、災害時の被災状況の把握だ。

 国土交通省と経済産業省が2014年度から共同で実施してきた「次世代社会インフラ用ロボット現場検証」では、「維持管理」と「災害対応」の各分野のロボットを公募し、両分野ともドローンを活用した技術が数多く登場した。苦戦した維持管理分野に対し、災害対応分野では活用の「お墨付き」を得た技術もあるなど、ドローンは災害状況の把握にすぐに使える技術として認識されている。

 そして、災害時のドローンの活用は新たな段階に入ろうとしている。例えば、台風接近時などの悪天候でも飛ばせるドローンの開発が、国の主導で進んでいる。被災状況の把握だけでなく、大規模災害で発生する廃棄物の管理にドローンを生かす事例も出てきた(以下も、情報は2017年6月26日時点)。


[災害調査]台風でも現場に急行する「全天候型」

 国土交通省の「革新的河川管理プロジェクト」では、台風の接近時に天候の回復を待たなくても現地を確認できる「全天候型ドローン」の開発を進めている。開発を担うのはアミューズワンセルフ(大阪市)とミライト・テクノロジーズ(同)。アミューズワンセルフは、風速が毎秒20mの強風下や雨天でも飛行できる機体の開発を担当する。

アミューズワンセルフが開発している全天候型ドローン。プロペラを下向きに付けて揚力を高めた(写真:日経コンストラクション)
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 一方、ミライト・テクノロジーズが担うのは、ドローンがどのエリアを撮影しているか、電子地図上でリアルタイムに表示するシステムだ。カメラの角度やズームの情報などを画像と関連付けて位置を算出する。

 例えば、山奥で斜面崩壊が起こったとして、ドローンで撮影すれば被災状況はよく分かる。しかし、それが地図上のどこかは分かりにくい。「機体の位置は既存の技術で分かるが、撮影対象の位置を表示するシステムはなかった」(同社ソリューション事業本部の中川守担当部長)。映像に写った遭難者の正確な位置もすぐに特定できるようになる。

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