国土交通省のi-Constructionでドローンによる出来形管理が脚光を浴びたが、インフラの点検や防災などに活用する動きも引き続き盛んだ。

 自動車部品大手のデンソーは、ラジコンヘリの開発などを手掛けるヒロボー(広島県府中市)と共同で、橋梁の点検ドローンを開発している。パナソニックもドローンメーカーのプロドローン(名古屋市)と共同で、ドローンによる橋梁点検システムを開発中だ。

 異業種の大手企業が「橋」に着目する一方、建設コンサルタント会社を中心に下水道管の点検ができる特殊なドローンの開発も始まった。

 ドローンに工事をさせようとしているのが西武建設。高所に補修材を吹き付ける機体の実用化を目指す。

 一見すると奇抜に思えるアイデアを、なんとか現実にしようと奮闘する技術者の姿がそこにある。それでは、編集部が選んだ7つの個性的な開発事例を3回に分けて公開しよう(以下も、情報は2017年6月26日時点)。


[作業補助]カラーボールを発射、損傷箇所に目印

 ドローンで構造物を調査したはいいが、どこに異状があったか分からなくなった──。こうした事態を防ぐのにうってつけのアイテムが、スカイロボット(東京都中央区)が開発した「スカイマーカー」だ。オレンジ色の生分解性塗料をプラスチックで包んだ質量3.3g、直径17mmの弾を、ドローンに装着した砲身から吹き矢のように発射する。対象にぶつかると塗料が数十センチメートルの範囲に飛び散る。「ダムのような大規模インフラの維持管理に有効では」(同社の貝應大介社長)。

スカイロボットの貝應大介社長。左が発射装置を搭載したドローン。DJI製大型ドローン「Matrice 600 Pro」がベースだ。発射角度は自由に調整できる。価格は機体を含めて299万円、保険料や専用ソフトウエアの使用料は月額9万8000円。2017年内に50台を売る予定だ。使い方を誤ると危険な道具にもなり得るので、同社のドローンスクールの修了者に限って販売する(写真:日経コンストラクション)
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 10m離れた位置から5cm以内の精度で命中させることが可能だ。砲身の内側に溝を掘り、弾にバックスピンをかけて射程距離を伸ばしたほか、発射時の反動でドローンの姿勢がぶれないように後方噴射排気管を設けた。特許は2017年2月に取得済みだ。「発射時のパワーが強すぎると銃刀法に違反する恐れがあるほか、弾が破裂するなどの問題がある。調整に苦労した」(貝應社長)。

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