巨大な建設機材が並ぶ竹中工務店の西日本機材センターに、ぽつんと小さなロボットがたたずんでいた。耐火被覆工事で床に落ちた材料をかき集める自律走行型清掃ロボット「TO(トゥ)ギャザー」だ〔写真1〕。2017年に実用化した機種を改良し、18年4月からレンタルのニッケンがレンタル、岡谷鋼機が販売を始めた。

〔写真1〕必要なのはロボットと三角コーン4つだけ
「トゥギャザー」量産機種のプロトタイプが、耐火被覆材をかき集める様子。本体と反射マーカー付きの三角コーン4つが現場に届けば、すぐに使える。レンタル価格は、1カ月当たり9万~12万円程度
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■ TOギャザー

  • 本体寸法(長さ×幅×高さ):466×435×438mm
  • ブレード部寸法(幅×高さ):約990×355mm
  • 本体重量:28.5kg
  • 最大清掃可能領域:40×40m
  • 作業時間:30分以内(100m2の清掃領域)
  • 走行速度:0.1m/秒
  • 連続駆動:8時間

 耐火被覆工事を担う技能労働者は、吹き付け作業などを終えた後、日が落ちる頃に掃除を始める。トゥギャザーを導入すれば、人が吹き付け作業をしている傍らで、ロボットがゴミをかき集めてくれる。人は、集まったゴミを回収するだけで済み、清掃時間は約半分に減る。最大清掃領域は、一般的なオフィスビルに対応できる約40m四方とした。

設定や教育なしで即戦力に

 トゥギャザーの強みは、導入・運用時の手軽さだ。本体と反射マーカー付きの三角コーン4つが現場に届けば、すぐに使える。複雑な事前設定や特別な道具は必要ない。竹中工務店西日本機材センター機械化施工推進グループの永田幸平主任は、「使ってもらえないと意味がない。いかに現場で扱いやすくできるか。着いたその日から、簡単に使えることが前提だ」と語る。

 実際に、操作は驚くほどシンプルだ。掃除したいエリアの四隅に三角コーンを置いて起動させると、ゆっくりと本体が回転し始めた。レーザーセンサーでコーンの位置を読み込んでいるのだ。そこから、長方形の清掃領域と清掃ルートを自動生成し、本体上部にあるモニターに表示〔写真2〕。人が確認して実行ボタンを押すと清掃領域にあるゴミを黙々とかき集める。

〔写真2〕清掃領域と清掃ルートを自動生成
自動生成した清掃領域が本体上部のモニターに表示されている様子。清掃ルートも自動で生成でき、人はモニターを確認して実行ボタンを押すだけで良い
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 ゴミは長方形の一辺に集めるので、往路はゴミをかき集めながら進み、復路はブラシが付いたブレードを上げて、そのまま後ろ向きに帰ってくる。ゴミをさらに1箇所に集約する機能も検討したが、モーターの負荷が大きくなり、ロボットの重量に影響する。使い勝手を重視して、1人で持ち運べる30kg以下にこだわった。

 ゴミをかき集める機能に特化したのも、現場での使い勝手を考慮したためだ。ゴミの吸引機能を搭載すると、ゴミの多い耐火被覆工事では、すぐにタンクが満杯になる。

 欲張らずに機能を絞り、人が簡単に使えるほうが生産性の向上につながると判断した。竹中工務店では現在、トゥギャザーと連携する、吸引専用の清掃ロボットを開発中だ。

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